第4話 さようなら

 奥様は(自分の子供のように可愛いがってきた貴女を追い出す訳がないでしょう)と涙目で抱きしめて下さいました。


 オジサマが、このお屋敷を出て行かれる日でした。


 真亜は、オジサマの部屋へ行きました。


「これ、ママの日記です」


そう言って、日記とDNA鑑定書を渡し部屋を出ました。


『パタン』扉を閉めた後、暫くしてオジサマが泣いている声が聞こえてました。


『トントン』真亜の部屋へ来る


(僕が行った事は謝って済まされないのはわかっている。過去に犯した罪も、知らなかったとはいえ娘にした行為、幼い君にしてきた事、僕はどう償えばいいのだろう)


真亜「私は、オジサマに何も望みません。

母の日記も差し上げます。

母の想いを大切に生き続けて下さい」


真亜「ここまで人並みの生活が出来た事。

奥様や海様に出会えたのは、母が導いてくれたのだと思います」


真亜「私は、貴方が父親と知った瞬間から身体が拒否反応を起こし受け入れられなくなりました」


真亜「どうか私の事は忘れて下さい。


 私は、貴方の事を記憶から消去します」


ボストンバッグを持ち玄関で、後ろ向きに立つオジサマ(私の父親)の背中を見て驚きました。


『首から肩に腕を廻した半透明の人魚がしがみついてる!?』


『お魚の様な尻尾をフリフリ楽しそう』


真亜「ママ、ありがとう」








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