第5話 二人で「アレ」を買いに行く
慌てて僕も自分の部屋に戻り着替えを済ませた。
彼女の気が変わらないうちに行かなくては、と思ったからだった。
「カイクン、二人で出掛けるのなんて何年振りだろうね」
(これから買いに行く物は何売り場のコーナーに置いてあるんだろう)
「何処だろう?店員さんに聞くのも恥ずかしいしね」
二人で売り場を探し、なんとかアレらしき物を見つけた。
薄さ何ミリとか、よくわからなかったし、あんまり安くて破れてもやばいし、
「よくわかんないけど、これでいいんじゃない?」
1ダース12枚入りってチョコでもあるまいし、
「あんまり長く此処にいても怪しまれそう」
確かに、それは彼女の言う通りだ。
「これって身分証明とか見せないと買えないのかな?」
タバコやアルコールを買うなら必要だが、これはどうなんだ?
「恥ずかしいから、お菓子も一緒に買おうよ」
彼女は、箱に入ったアーモンド入りのチョコレートとポテトチップスを上に乗せた。
なるべく混んでるレジに並び、
「大人のカップルっぽく普通にしないとね」
僕の腕に、彼女は腕を絡めて来た。
彼女の柔らかい胸が触れる。
やばい、勃ちそうだ。
やっと自分達の番に来た。
『ピッピッ』レジの電子音
慣れた手つきの若い女性店員さんが、袋入りますか?と聞いてくる。
マイバッグなんてアレを買う為に持って来ていない。
「ハイ」と彼女が答えてくれる。
ポイントカードはお持ちですか?とかどうでもいいから早くして欲しいので、
(いいえ)
と、答え電子マネーで支払う。
白い半透明の袋じゃ中が透けてしまうからマイバッグ持って来ればよかった等と考えるていると、なんと茶色の小さな紙袋にしっかり入れてくれた。
お菓子で隠した意味はなく、店員さんにはアレだとバレているのだ。
こんな事なら、おばちゃんのレジに並べばよかったと後悔する。
次があるのか無いのかわからないけどコンドームだけに今度はそうしよう。
彼女はスーパーの袋に茶色の紙袋に入ったアレをお菓子と一緒に詰め込んだ。
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