第3話 間接キス

『パキッ』ペットボトルを開ける音


僕は酸っぱそうにオレンジジュースを飲む


「ふふ 海様、交換しましょうか?」


彼女は勝手に僕のそれを握り、奪うと


彼女の飲みかけの物を渡す


「ハイ」


(間接キス!?小学生でもあるまいしと思うかも知れないが、それすら未経験だ)


「子供の頃を思い出しますね」


(彼女が口をつけただけなのに、いつもと違う味がする)


「海様、少しだけ肩お借りしてもいいですか?」


頷くと寄りかかる華奢な肩が触れる


彼女の手に触れた


「海様の手、あったかい」


いきなり押し倒して、前回(エピソードゼロ10話)の様にならないように我慢も込めて彼女の手を強く握る


「今は優しくしないで、泣いちゃうから」


僕には君の涙を止める術がなかった


「海様」


(もうさまはいらないよ、呼び捨てでいいよ)


「いきなり、は無理ですよ〜」


僕の耳元で囁く彼女


「じゃあ、カイクンでいいですか?」


(やばい、カイカンって聞こえた)


「ふふ」


いたずらっぽく笑う彼女は、最近急に色っぽくなった


「めっちゃ弱っているから、優しくされるとカイクンの事好きになっちゃう」








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る