第6話 波の音

「ザバーン ザバーン」


真亜(私はお城で暮らすお姫様)


(歳上の旦那様に愛されているの)


オジサマが来て下さる夜は、そんな妄想をします。


「ザバーン ザバーン」


波が少しづつ高さを上げながら、砂浜に近づいて来る。


もう少し高く上がれそうなのに、静かに波打ち際へと押し出されてイク。


でも、又すぐに地球(子宮)の奥からやって来るの。


声が出そうになるのを我慢して、強くシーツを握り締める。


何度も何度も潮の満ち引きを繰り返す。


頭の中が真っ白になる。


ママの顔が浮かんだ。


(ママ、助けて)


(真亜、もうだめ、変になりそう)


(お魚みたいに、真亜ピクピクするの)


「ぴちやぴちや」


プリンをかき混ぜているみたいな音。


真亜「ハァ ハァ」


息づかいが荒くなります。


とうとう耐えきれず、


真亜「あっ」


小さな声が出てしまいます。


オジサマは、真亜にそれ以上の事は、求めませんでした。


真亜は、この時は10歳です。

オジサマは、35歳でした。


海様は、隣の部屋で寝ています。

オジサマは、真亜の部屋をそうっと出て行くと奥様との寝室へと戻られます。



















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