第0章 第23話
「それはそうでしょう。貴方は雪都兄さんよりも忙しい人だ。そんな人がわざわざ、時間割いてまで私の元に顔を出す様な真似はしない筈だ。
・・・それで私の元に来たのは私の心配からですか?それとも、私を叱責しにでも来ましたか?」
私は父である彼にそう言った。
「勿論、心配しに来たに決まっている。
・・・それにね何を如何間違えれば、僕が娘である雪菜を叱責しに来ると思ったの?」
父は私にそう告げた。
「私を叱責する理由なんて十分存在していると思いますが・・・。
私の目の前で、母さんと雪音が殺されたんですよ?
それに・・・二人を殺した犯人は黛だったんだ。
この二つの理由さえあれば、父さんが私を叱責する理由は十分だと思いますが・・・」
私はそう答えた。
すると「雪都と大輔から雪菜と黛の事は聞いた。それに以前、黛は雪菜の腕を斬り付けた前科もある。
苛めの事を黙っていた事と今回の件の事は流石の僕でも怒るけどね」
父さんはそう言った。
「・・・やっぱり」
私はそう答えた。
「この二つの件は雪菜、お前が家族である僕等に黙っていた事と今回の件は雪都から話は聞いたが、黛から情報を聞き出す為とは言え、自身を危険に晒す真似をした事について怒っている。
母さん達の事で怒っていない。
・・・それに傷付いた娘を叱るなんて僕には出来ないからね」
父さんはそう答えた。
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