第13話 迷宮脱出


「ニャァ…」


「じゃあ、こうしよう。この女神像めがみぞうあたまを…」


「うニャニャッ!!!」


あまりにガックリとしているので代替品だいたいひんわたそうとしたとき、ミケが理希コトキ背後はいご階段かいだんうえほうゆびさした。


おおきすぎるニャア!」


「……ベタだな」


かえって一言目ひとことめがこれだった。


巨大きょだいたまがこちらにかってころがりちてきている。


「ご主人しゅじん。ここは魔法まほうニャ。ご主人しゅじんならドカンとばせるニャ」


「いやぁ…、きっと威力いりょくがありすぎてめになるのがオチだな」


ファイア・アローならせま通路つうろ火矢ひや密集みっしゅうぎてきかも。


「どんどんちかづいてきてるニャ!」


段差だんさちるときの衝撃音しょうげきおん次第しだいおおきくなり、振動しんどうしてくる。


たまはばはちょうど通路つうろいっぱいってかんじだな…」


「ご、ご主人しゅじん頑張がんばって」


ミケはそううと霊体れいたいもどり、姿すがたした。


「あ、こらっ、一人ひとりげるな!」


一心同体いっしんどうたいニャから、(どっちにしろ)ぬときは一緒いっしょニャ』


ミケのこえあたまなかひびく。


ずかしいセリフを…」


こころこえまでこえちゃってるからすこしひっかかったが、おもわずちょっと赤面せきめんする。


彼女かのじょわれたらうれしいのかもしれないが、われたことがないかららない。というかそもそも恋人こいびとがいたことがない。


くら気持きもちになりかけ、理希コトキあたまってなおした。こんなことを考えている場合ばあいではない。


「コルプス・シネ・ペクトレ・ユベト。プロストラタス」


一段下いちだんしたのステップでおすわりのまま待機たいきしていたいぬのゴーレムに、せるようにめいじた。


「フォルティ・エト・フィデリー・ニヒル・デッフィキレ」誠実せいじつ強者きょうしゃは、如何いかなる困難こんなんかえ


「エンハンスド・ボディ」


同時どうじ身体強化しんたいきょうか魔法まほうをゴーレムにかける。


「よっと」


いしのコップをひろげると、ゴーレムに片手かたてをついてえ、さらに一段下いちだんしたのステップで理希コトキはうつせになった。蹴上けあがわにピタリと身体からだせる。


けず、巨大きょだいたまおどからゴーレムの通過つうかして、上手うま頭上ずじょうえたのがかった。


段差だんさおおきくなったぶんはげしくしたのステップにぶつかるおとひびいたが、たまれることもなく何事なにごともなかったようにそのまま階段かいだん落下らっかしていった。


「…、ありがとう。たすかったよ」


理希コトキいきくと、せをしたまま大人おとなしくしているゴーレムのはなあたまでた。


いぬのゴーレムは無表情むひょうじょうだし微動びどうだにしないから、のせいだとおもうけど、なんとなくよろこんでいるようにもかんじる。


『さすがご主人しゅじんなのニャ』


「まぁ、上手うまくいってよかったよ」


たまおもみでゴーレムがくだけていたらアウトだったな…。


実体化じったいかしていなくてもそと状況じょうきょうかるの?」


異空間収納いくうかんしゅうのうぐちひらき、いしのコップと女神像めがみぞうあたまれた。


きてるときはご主人しゅじんとおしてえるニャが、普段ふだんはだいたいてるニャ』


「あぁ…、そう」


『ところでマリをもらったときもおもったのニャが、その不思議ふしぎくろあなはニャんニャのニャ?』


「あぁ、これは異空間収納いくうかんしゅうのう。アザー・ディメンション・ストレージといって、アイテムとか仕舞しまっておけるんだよ」


きなときにどこにでもせるのかニャ?』


「そうだよ。ミケと一緒いっしょだね。クラウデ」


わらいながらあなじた。


あなおおきさも自由じゆうえられるし、容量制限ようりょうせいげんもなくなったから、便利べんりなもんだ」


おおきさをえられるニャら、あな通路つうろ一杯いっぱいひろげてたまれちゃえばかったのじゃニャいかニャ?』


「……」


『……』


しばらく沈黙ちんもくつづいた。


「ええと…、そうだな、ゴホン」


咳払せきばらいをして無視むしすることにした。


「デウム・イミタートル、アニムム・レゲ。コジェト。ストーン・ゴーレム」


巨大きょだいたま通過つうかしておおくがってしまたっが、ぞうはいこまかくくだけたいし使つかい、小鳥ことりをイメージしてあらたなゴーレムを2たい召喚しょうかんした。


「やっぱり実践じっせんするのが大事だいじなんだな…」


何度なんど召喚しょうかんしているうちにだいぶれたというか、コツのようなものをすこしつかんだようながする。一度いちど詠唱えいしょう複数体召喚ふくすうたいしょうかんできることがかったのはおおきい。


理希コトキ悪魔像あくまぞう女神像めがみぞうがあった場所ばしょにそれぞれとりのゴーレムを配置はいちした。


『ニャんのおまじニャいかニャ?』


「いや、なんかわるいかなって」


2ひきだからさみしくはないだろう。異国いこく神様かみさまっぽくえなくもない。


「よし、じゃあ、そろそろこうか」


『ニャ!』


「アスケンド・レンテ」


せをしているいぬのゴーレムに理希コトキまたがると、ふたたびゆっくりのぼれと命令めいれいした。

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