第9話 初めての装備と魔法の石


「そろそろ肉はどうかな…」


理希コトキはドラゴンの肉をレイピア(カーネリアン)でし、焚火たきびなかからり出した。はしっこをうすくスライスしてみる。


「よし。大丈夫だいじょうぶそうだな」


完全かんぜんに火がとおっている。


おそおそくちに入れ、ちょっとだけんでみる。


「こ、これは美味うまい!」


理希コトキは10まいほどスライスして、むさぼるように食べた。


いたまま放置ほうちしていたコップの水を一気いっきす。


なか一杯いっぱいになったが、いた肉のかたまりはまだ7わりほどのこっている。


「ぷはー。いやー、これなら全然ぜんぜん大丈夫だいじょうぶだな」


まちったらドラゴンの肉屋にくやひらくというのもアリかもしれない。


食べられる状態じょうたいのまま保存ほぞんできるのかからないけれど、のこった肉は異空間収納いくうかんしゅうのう仕舞しまうことにした。


けんまったし。順番的じゅんばんてきには防具ぼうぐだけど…、たてよろい全滅ぜんめつかぁ」


武器ぶきとき同様どうようにアイテムめいくらくなっている。


帽子ぼうしいくつかあるけどなんかダサそうだし…、妥協だきょうしてマントくらいか?」


理希コトキは『ラタトスク・マント』で目をめた。


【クローク:ラタトスク・マント(エフェクト:アンチマジック)】


ほかのアイテムとちが個数こすう表示ひょうじがないということは、これ1まいだけのちょうレアということだろうか。


魔法まほうしてくれるのは破格はかく効果こうかだけど、回復魔法かいふくまほうふせいじゃうかもしれないから注意ちゅうい必要ひつようかも。


「おっと…」


マントをり出そうとしていた。ているふくはらあたりがやぶけ、よごれている。


「そういやかおにもれてたっけ」


うでかおぬぐうとベットリといた。


だらけで肉をむさぼっている姿すがた第三者だいさんしゃが見ていたら、きっと魔物まもの勘違かんちがいされただろうなぁ…


「アクアリウス・コンプレウェラント。ピュア・ウォーター」


理希コトキはおもむろにがると焚火たきびからはなれ、頭上ずじょう大量たいりょうみずをイメージして呪文じゅもんとなえた。ふくたままあたまからみずをかぶる。


滝行たきぎょうみたいだなぁ」


んでからながいこと風呂ふろはいっていなかったことをおもし、しばらくみずつづけた。狭間はざま空間くうかんにいたとき、実体じったいがあったのかはらないけど。


生成せいせいしたみずすべちると、足元あしもとにはおおきなみずたまりができていた。


みず魔法まほうとゴーレムを利用りようすれば風呂ふろつくれるな…」


拠点きょてんめたら設置せっちしよう。


あたまってかみ水気みずけかるばした。


れたふくぎ、異空間収納いくうかんしゅうのうあなれる。よごれているしやぶれているからててもいいけど、貧乏性びんぼうしょうなのかもったいないがして、ついためんでしまう。


「さて、どうしたものか…」


異空間収納いくうかんしゅうのう中身なかみ調しらべていた理希コトキは、すこまえからかんづいていた。アイテムのほうまれる間隔かんかくひらはじめている。


回収場所かいしゅうばしょがゴーレムの遠投えんとうでもとどかない距離きょりになり、ちかづいてからげているようだ。


自分じぶん魔力量まりょくりょうからないから不安ふあんはある。なやみになやんだ結果けっか結局けっきょくストーン・ゴーレムを100たいほど追加ついかした。


まったつかれをかんじていないが、魔力切まりょくぎれで突然とつぜん使つかえなくなる可能性かのうせいはあるから、調子ちょうしにはらないほういだろう。


フロアーのおくらばっていく様子ようすを、理希コトキはぼんやりと見送みおくる。


「さ、さむっ…」


巻物まきもの影響えいきょうでフロアー全体ぜんたい気温きおんがったみたいだけど、みずびるにはまだひくい。


いそいで焚火たきびまえもどると、カペルのふくとラタトスクのマントをし、すぐににつけた。


簡易かんいヒントによると、カペルはこの世界せかい家畜かちくで、ラタトスクは魔物まものらしい。


理希コトキはマントにくるまり、よこになった。そのまま道具どうぐ確認かくにんをする。


巻物まきものとき同様どうようにほとんどの道具どうぐ名称以外めいしょういがいアンノウンと表示ひょうじされ、武器ぶき防具ぼうぐときのような簡易かんいヒントは表示ひょうじされない。


アイテムの効果こうかなどくわしく表示ひょうじされるようにするには、実際じっさい使つかってためすか、文献ぶんけんなどで知識ちしきやす必要ひつようがあるのかもしれない。


とりあえずたくさんちていた魔法石まほうせきたしかめることにした。


【マジックストーン:カーネリアン  x 999】

【マジックストーン:ロードナイト  x 999】

【マジックストーン:サードオニキス x 999】

【マジックストーン:レッドコーラル x 999】

【マジックストーン:アクアオーラ  x 999】

【マジックストーン:ラピスラズリ  x 999】

【マジックストーン:エンジェライト x 999】

【マジックストーン:アイスラリマー x 999】

          :


「おっ、おおっ…」


えげつない個数こすう理希コトキ苦笑くしょうした。こんなにっていても、きっと使つかいきれない。


おな属性ぞくせいでもいくつか種類しゅるいがあるのか…」


うえから4つは火属性ひぞくせい魔法石まほうせきとなっている。


ためしに『カーネリアン』2と『ロードナイト』を1した。


おなじカーネリアンでもおおきさが全然ぜんぜんちがうな…」


1円玉と500円玉くらいのがあった。


まぁ、すときに手触てざわりでかるから問題もんだいはないかな。


ころんだままおおきいほうの『カーネリアン』を異空間収納いくうかんしゅうのうあなれた。


「カーネリアンとロードナイトではいろさや模様もようことなるのか」


焚火たきびにかざしながらこまかく確認かくにんする。魔法石まほうせきちがいがどう影響えいきょうするのかはた目ではからない。


「アーエル・アルデスキト。バンファイア」


ほぼおなおおきさの『カーネリアン』と『ロードナイト』を左手ひだりて右手みぎてち、呪文じゅもんとなえた。


焚火たきび出現しゅつげんせず、両方りょうほう魔法石まほうせきまれていく感覚かんかくがあった。理希コトキかず、そのまま集中しゅうちゅうつづける。


あかかがやきがどんどんしていく。


5ふんくらいつづけたところ、前触まえぶれもなく『カーネリアン』の魔法石まほうせきくだった。そそんでいた魔力まりょくなのだろうか。あかけむりのようなものが霧散むさんしてえる。


「なるほど…」


理希コトキ集中しゅうちゅういた。


こわれずにのこった『ロードナイト』をあらためてたしかめる。


あかかがやきはえ、注入前ちゅうにゅうまえとは大差たいさないようにおもえた。


意外いがい不便ふべんだなぁ…」


中身なかみからなのか魔法まほうはいっているのか、はいっている魔法まほうなんなのか、使つかってみないとからないらしい。


「まぁ…、しるしけてから布袋ぬのぶくろにでもれておけばいいか…」


理希コトキ半身はんしんこし『ロードナイト』をてんかってかかげた。


「リベラット」


解放かいほう意味いみ言葉ことばはっすると、魔法石まほうせき一瞬いっしゅんあかかがやき、まえ焚火たきび出現しゅつげんした。


普通ふつう呪文じゅもんとなえてした焚火たきびとくちがいはない。


「リベラット」


理希コトキはもう一度いちど解放かいほう言葉ことばとなえた。同様どうよう焚火たきび出現しゅつげんする。


魔力まりょくれるまで何度なんどでも使つかえるわけだ」


えろ』とめいじるまでつづける魔法まほうだけど、少量しょうりょうでもつね魔力まりょく消費しょうひしているから、魔法石まほうせきそそいだ魔力まりょくからになったら自然しぜんえるのだろう。


れるときも使つかうときも、注意ちゅういするのは魔力量まりょくりょうということか…」


理希コトキふたたよこになった。


レイピア(カーネリアン)は無詠唱むえいしょう魔法まほう発動はつどうした。つかつば細工さいくにでも、発動はつどうのきっかけとなる術式じゅつしきほどこされているのかもしれない…。


理希コトキ眠気ねむけかんじながら、つぎのアイテムを確認かくにんすることにした。

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