第11話ー恋愛尋問⁉


「いつから?」


「どっちから告白したの⁉」


……おかしい。


今は晩ご飯の時間なのに、尋問の時間になっている。


どうしてこうなったか記憶をさかのぼると、


①光くんに家まで送ってもらった。


②弟の春樹に見つかった。


③春樹が家族を連れてきた。


④家族に見つかった。


⑤今に至る。


いや、なんでこうなった⁉


記憶の隅々まで探しても、全くわからない。


とりあえず、「えーと……」とか言って受け流してるけど、そろそろのこの手も使えない……。どうしようか……うーん………。


まぁ、こうなったからには、もう開き直るしかないよなー。


「真美?真美?」家族が答えを急かしてくる。


はぁ、イライラするなー。


「あー!もう!付き合ったのは1、2ヶ月前で、私から告白しました!文化祭の後に!」


いきなり大声を出したせいで、家族は固まってしまった。


シーンとした気まずい空気に耐えられず、私は


「じゃあもう答えたからね!ご馳走様!」


と言って、部屋にこもってしまった。


……ついカッとなって逃げてきちゃったけど、どうしよう。


私は不安と申し訳なさで泣きかけ、というか、ほぼ泣いてしまった。


はぁ、明日どんな顔してリビングに行けばいいんだろう。


目が覚めて、今夜は眠れそうにない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る