第9話ー図書館デート


授業が終わり、帰りの挨拶が終わって、光くんのもとに駆け寄る。


「光くん!行こっ!」


ウキウキで光くんと図書館へ向かう。


「そういえば、こないだ読んでた本、なんていうシリーズ?」


「〇〇っていう、異世界ものの恋愛シリーズだよ」


へぇ、光くんも恋愛シリーズ読むんだ。


なんていう、前の関係に戻ったような会話を繰り返す。


そして、あっという間に図書館の前に着いた。


席は……と、よかった~。

二人隣で座れそう。


二人で緑色の椅子に座り、勉強を始めた。


基本的には二人とも黙ってやるけど、わからないところは


「ここ、どうやって解くの?」


「あぁ、それはね、ここにⅩを当てはめたときに、こうなるから………」


というように、教えあっている。


「よしっ、数学お~わり!」


「はやっ」


光くんはやっぱり自頭がいいからすぐに終わってしまう。


ちなみに私はというと、今半分来たぐらいだ。


ここから一人で数学か……。


なんて思っていると、


「大丈夫だよ。教えるから」


と、天使のような言葉が耳に入ってきた。


「ありがとう!」


思わずガタンッと椅子から立ち上がってしまった。


それから、光くんに数学をみっちり叩き込んでもらった。


やっと終わったころ、もう空はオレンジ色になっていた。


「そろそろ帰ろうか」


「うん」


うなずきはしたものの、本当はもうちょっと一緒にいたい。


けど、その願いはむなしく、解散ということになった。


でも、光くんが


「家まで送るよ」


と言ってくれた。


やった!まだ一緒にいれる!


うれしくてつい、「やった!」と小さめに叫んでしまった。


図書館を出るとき、ちょっとだけ職員さんに注意されちゃった……。


そのまま、私の家へ光くんを案内した。


そして、私の家の前にたどり着いた。


私の家は図書館に近いから、すぐに着いちゃったけど。


その時、私の家の玄関が開いた。

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