迷宮世界と猫系彼女

狂咲 世界

第一部 文明崩壊と双子姉妹

プロローグ

プロローグ

命が、染み出していく。


雨に降られ、溶け出していく。


“俺”という存在が、消えていく。


俺のそばにあったはずの二つの温もりは、一つは完全に冷たくなり、もう一つからも刻一刻と熱が奪われていく。


誰か……助けてくれ……


俺はそう願い、天に手を伸ばそうとする。しかし、腕はぴくりとも動くことはなかった。


呪詛のせいなのか、傷が回復する気配はない。


不意に、俺の脳裏に忌まわしき記憶が蘇る。


彼方からやってくる、無数の黒い飛翔体。


そして––––


眼を灼くほどまばゆい閃光。

全てを焼き尽くし薙ぎ払う風。

地面が焼けて、ガラス化する匂い。

強化された俺たちの皮膚さえ焦がすほどのエネルギーの奔流。


俺たちは棄てられたのだ。今更助けを期待することなど無意味だ。


それでも、俺は願うことをやめられなかった。願うことしかできなかった。


誰か、俺たちを……助けてください。

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