悪の組織のドS系女幹部にtsした私はヒーロー達を陰から応援する
卿
その名は【優越者】
超能力者、それは人を超えた超常の力を持つ人間のことだ
そんな超能力者にも二つの種類がある
一つはその力を弱者の為に使うヒーローと呼ばれる存在
そしてもう一つは超常の力で弱者を痛ぶり略奪の限りを尽くす怪人と呼ばれる存在だ
そんな怪人達に対処する為に政府はヒーローを集めヒーロー協会なるものを組織したが怪人も対抗し八人の怪人を主軸とした【デルムメシア】を結成した
二つの組織の力は完全に拮抗しており今も対立が続いている
そんなつまらない話をしている先生の授業をヒーロー学校に通う私、B級ヒーローの
「花夏さん?花夏さん!聞いてますか」
ヤ、ヤバい居眠りしていたのがバレてしまった
彼女の名前は
「花夏さん、貴方はこの学年で三人しかいないB級ヒーローであるという自覚をしっかりと持ちなさい」
瑠璃先生が特徴的な赤縁メガネをキランと光らせてお小言を言ってくる
私はこの先生が苦手だ美人できちんと生徒達の事を考えてくれている良い人だって事は知っているけどのんびりタイプの私とは合わない
私が仕方なくは〜いと返事すると先生はため息を吐きながら授業を再開した
授業が再開して数分が経っただろうか、何だか外が騒がしい
私が気になって窓から外を見ようとしたのとほぼ同じタイミングで悲鳴にも近い男の人の声が響いた
「て、敵襲だ〜!【デルムメシア】が攻めてきたぞ!」
敵襲!?ここはヒーロー学校だよ?まさかこんな所に攻めてくるなんて
でも大丈夫だよね?ここにはヒーローがいっぱいいる、それに教員達も精鋭揃いだ
そんな私の予想とは裏腹に外の騒音は一向に止む気配がないむしろどんどん近づいて来ているような気もする
「花夏さん!力を貸していただけませんか?どうやら襲撃者は相当な手だれのようです」
すると先生が深刻そうな表情で私に救援を求めて来た、先生のこんな顔を見るのは初めてだ事態は私の想像しているよりも遥かに悪いのだろう
正直に言えばすごく怖い、でも私だってヒーローなんだ!
「はい!もちろんです!」
「良い返事ですね、ありがとうございます。では私にしっかりとついて来てくださいね」
「分かりました!」
すごく速い速度で走る先生に必死に追いつきながら数分走るとついに私たちは襲撃者達と鉢合わせた
「あぁん?テメェら中々強そうだな、特にメガネの女、ヒーロー共が雑魚すぎて退屈していた所だ、ちょうど良い俺と戦え」
「元よりそのつもりです、行きますよ花夏さん!」
「はい!」
敵は強そうな虎型の怪人と十数人の戦闘員
先生の話だともう直ぐ本部からのヒーロー達が到着するらしい、それまでの時間稼ぎをするのが私たちの任務だ
「野郎共!ヒーローを蹴散らせッ!」
「イエッサー!」
怪人【虎牙人】 危険度 A −
「ぐっ!」
分かってはいたけどすごく強い!攻撃の速度も威力も高いのに防御も半端なく固い
「おらぁ!こんなもんか?ヒーロー!」
「がはっ!」
虎怪人の猛攻に思わず私も先生も吹き飛ばされてしまう
だが私の方が先生よりもダメージは少ない、何故ならば先生は私を庇いながら戦っているからだ
「先生!無事ですか!」
「えぇ、無事です!そんなことよりも前を見なさい!花夏!」
「へ?」
先生の言葉に前を見るとそこには大きな拳が
慌てて避けようとするが体が言う事を聞かない
これが、恐怖
「もう遅いぜぇ!その可愛い顔をぐっちゃぐちゃにしてやるよぉ!」
虎怪人の拳はそのまま私の顔に直撃して、ベギョっという嫌な音がした
「い、痛い!!!」
あまりの痛さにその場で涙を流してうずくまってしまう
「か、花夏さん!?しっかりしてください!そこでうずくまってしまっては!」
「へへ!恰好の的だよなァ!」
ひッまた殴られる!今度こそ私は死んじゃうんだ、ごめんねお母さん…
「花夏さん!」
瑠璃が悲鳴を上げる虎怪人の拳がこのままの軌道で花夏に当たれば悲劇の惨状が生まれる事は間違いない
だが虎怪人の拳が唐突に止まった、否、何者かに止められた
「ふふふ、女の子をタコ殴りにするなんて余りにも美学がないんじゃないのかしら?」
「あ?誰だテメェは?」
突然現れておいて自分の拳をあっさりと止めた女に警戒しながらも虎怪人は苛立ちながら聞いた
「あら?【デルムメシア】の怪人のくせに私のことも知らないの?お馬鹿さん」
虎怪人と謎の女が話している傍らで瑠璃は密かに戦慄していた
虎怪人は知らないようだが私はあの女を知っている
かつて私が現役のヒーローであった頃に一度だけ一瞬だが対面したことがある
あの長い金の髪、猫のように鋭い目、そして特徴的な長いムチ
あの女は【デルムメシア】の最高幹部【七愚者】の一人
怪人【優越者】 危険度 S +
本当に一瞬だけであったが強く印象に残っている、数十人の上級ヒーローをまるで人形でも倒すように次々と倒していくあの恐ろしい姿が
「馬鹿だと?この俺が?舐めんのも良い加減にしろやこのクソ女ァ!」
「はぁ、本当に馬鹿ね、貴方はペットにしたかったのだけど残念、さようならよ」
「は?」
虎怪人は何が起きているのか分からなかった
俺が攻撃を仕掛けていたはずだ、なのに何故、俺が地に倒れている?
体が動かせねぇ、いや、違う、もう体が無いんだ、首が切り飛ばされた
「バケ、モノ…め……」
「あら?レディに化け物なんて失礼ね?じゃあ、そろそろ帰りましょうか」
「ま、待ってください!何故、今になって貴方が出てくるのですか!【デルムメシア】は一体何を企んで…」
【デルムメシア】の怪人達と頻繁に戦っているヒーローでも【七愚者】との遭遇は恐ろしく低い、その為【七愚者】のほとんどをヒーロー協会が把握出来ていないのが現状だ
この機会を逃すわけにはいかない、もうヒーローは引退してしまったがヒーロー精神が消えたわけでは無い
たとえ私が死んだとしても、情報を引き出さなければ
「ふふふ、ヒーローのそういった正義感は好きよ♡でも、【相手を見て発言しなさい】」
【優越者】が温和な顔から表情を変えた瞬間、瑠璃の体にドロドロとした殺気がまとわりついた
「かひゅッ!」
息が出来ない、意識も、飛んで…
「じゃないと命が幾つあっても足りないからね♪」
掠れゆく意識の中で最後に見たのは時空の歪みを使って現場から去っていく【優越者】の後ろ姿だけだった
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