転校生編
第6話💬転校生
「今度このクラスに、転入生がくるぞ。」
この、先生の一言から
私?私はっていうと、その日学校を休んじゃったから、聞かされたのは2日後とかだった。皆、心配の連絡くれるのは嬉しかったけど、これに関しては、もっと早くに
「あっ、よるさん、おはよう…」
「あ、おはよう暮密くん。」
「風邪は…もう、大丈夫なの?」
「うん、あの雨でまさか、こんなに学校休んじゃうとは…」
うっかりうっかり。
「あの、授業のノートとかって、どうするつもり?」
彼のこの質問は、今の私を大いに困らせているものだった。
「あ、あぁ〜〜〜どうしよう…確かに、誰かに借りるしか…」
考える素振りで目を泳がせていたら、彼と目が合った。その瞬間、空気が微妙になった気がしたから、彼を
「あっ、えっと、よかったら、僕のノート…見る?」
「え、いいの!じゃあ、お願いしま〜す。」
別に、本当にそうして貰おうとは思ってなかったけど、彼ならそうしてくれる気がした。真面目だし。優しいしね。
「キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン、キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン。」
事実上、休んだ私の代講をしてくれた彼は、チャイムの音に促され「じゃあ」と挨拶すると自分の席に戻っていった。
「起立!気をつけ!礼!」
「「おはようございます」」
「はい、おはようございます。今日は、君たちに言っていた通り。このクラスに転入生が来ます。入って。」
先生の合図に応え、教室前方の扉が開く。踏み出された脚はとても細かった。
「はじめまして、”宮原いすぐ”です。趣味は音楽鑑賞で、特技はギターの弾き語りです。よろしくお願いします。」
ぺこりと頭を下げる転校生・いすぐさんは、まるで私と正反対のようなお
「席は、夏木の隣が空いているな。そこに、座ってくれ。」
私の隣の座席を指さした先生に対して、彼女はコクっと
「え、あ、うん、よろしく」
【仲良くなれるといいな…】この子、いい子だ!私は新たな出会いに、ワクワクが止まらなかったのだった。
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