第二章 妖怪編
第19話
2年生になってから早一月、俺達は今日も平和に学園生活を送っている。現在、俺は生徒会室にいます。何故かって?餃子の決めこと・・・あれ?餃子になっている。違う違う、行事です、安心してください。餃子を決めるわけではありませんから。
まあ、そういう事で5月に行事を決めようと話をしているのです。
いや、話が変わっているだろと思いますがすみませんね。それはどうしてなのかと思いますが5月はSSクラスの設立した月なのです。
だから、こうした記念に何か新しい行事でも作りませんかね?と叔父の学園長からの提案から新たな行事を作ることになったということです。
提案者は学園長でありますが叔父はこの会議に不在です、どうやら、大阪校の学園長と話し合いをすることになっている予定らしく、参加出来ないらしい。
まあ、学園長は忙しいと聞くから無理もない。わざわざ、大阪校まで行って話をするとは珍しいが俺の予想では、SSクラスの記念行事を大阪校で作ろうという話をしていると予想しています。
大阪校にもSSクラスは設立されているから予想は外れそうだが案外ありそうなんだよね。
SSクラス設立記念で行うことは体育大会的な行事を作るとか学園祭とか大規模な行事をしようとする意見や球技大会みたいな学園だけの行事をする意見があるなどなかなか決まらない。
記念として1日休日にしないかという意見がありましたが反対されていたんだよね。
それをするなら行事として作ったほうがいいだろって感じに否定されているのだ。ん?お前は何か意見でも言ったのかって?言いましたよ
学園内のパーティとかマラソン大会とか。前者はそれなりに賛成する人もいたけど後者は否定されたね。なんで、マラソン大会なんてする必要があるんだって、よくある行事かと思って提案したけど駄目だったわ南無・・・
「なかなか決まらないな・・・ふむ・・・」
「そうですね。新たな行事を作るのは我々が教師として現役の時代にできるのは素晴らしいことですがいざ、新たな行事を作るとしても意見は分かれてしまう。
我々だけで決めるよりも大阪校の人達にも意見を聞きましょう。同じ行事になるとは限りませんが彼らもいい意見を持っているはずです」
「それは他人任せではないのか?山口先生」
「生徒会と先生との会議でも決まらない。多数決をとっても半々・・・学園長がいたら決まる話ですがね・・・」
どうも決まらない会議。生徒会側でまともに参加している人ですら少ない。しーちゃん、風間はすでに睡眠状態。荒野は縛られて動けない状態である。
え?なんで縛られているのかって?知らないほうがいいんだよ。荒野の行動を知っている皆さんなら理解しているでしょう。そう、いつものです。誰が縄で縛ったのかは秘密です
ってなわけで2年生でまともに会議に参加しているのは俺だけという状況なんです。
2年生の意見が欲しいと言われてまともに聞けるのが俺だけというこの状況でどうしろと?と思います
そんな話をしているとしーちゃんが突然起きる。どうした?どうした?突然起きるしーちゃんに俺は驚くが何かあったのか?
「西に何か大きな気配がする」
としーちゃんが言ったのかと思ったら縄で縛られて天井にぶら下がっている荒野が言った。
いや、お前が言うんかい。その状況で『西に何か大きな気配がする』と言われても緊張感がないぞ
「荒野に同じく、西に何か大きな気配が感じる・・・場所は・・・」
魔力感知で範囲を西日本にして発動させるしーちゃん。いや、待て。
そこまで魔力感知を広げると脳の血管切れるぞ。流石に脳の血管が切れたらやばいから止めようとするといつの間にか起きていた風間が俺を止める
「辞めろ、海野」
「でも・・・」
流石に広範囲の魔力感知をしたら危険すぎるだろと言おうとすると風間は問題ないと答えた。
理由を聞くと能力のバフをつけた魔力感知のため脳の血管が切れないらしい。そんなことが可能なのかと驚いていると荒野が答える
「京都の山?だね・・・あの気配は初めて感じるけど・・・」
京都?と首を傾げる俺達。先生達は何か言おうとするが生徒会長甲有賀が止める
「京都の山だと?何が起きているのか教えてくれ」
縄で縛られている荒野に言う会長は縄を解いて荒野を自由にさせる
「いや〜僕でも分からないんだよね。気配だけじゃなくて封印かな?
何か施されていたみたいだけどその封印が解かれた?って感じかな。見たことがない巨大な石?かな、その石が割れたみたいだね」
石?もしかして殺生石・・・いや、殺生石は栃木県にあるから違うか。封印されたとはどういう・・・?
「石だと?それに京都?」
気になる話ばかりだが石に何かあるのか?
「その石・・・あっ見つけた。封印の札が何枚もあるね。それに能力による封印みたいだけど何十・・・たくさんの能力者が封印を施したのかな?
その石に対象を封印する能力がある」
相澤さんみたいに池に時を超える能力や状態異常を治したりするに近いものか?でも、それが2人が感じた大きな気配と何か・・・もしかして
「なあ、2人。その近くに"何か"いるのか探してくれないか?」
「?分かった」
「分かったよ。探してみようか」
2人は俺が言ったことに頷いて探すと何かに気づいたのか荒野が言う
「割れた石の近くに看板を見つけたよ」
と割れた石とは封印に使った石のことだろう。割れているという情報は初耳なんだが?
「何か書いてあるね。何々・・・異能の封印?」
『?』
また首を傾げる皆。俺も分からない。異能の封印と言われても何も分からないが危険な人物でも封印しているのか?
「異能の封印だと?分からないな」
「異能と書いてあるから過去に封印していたんじゃないのか?」
「封印・・・能力者だと?封印に能力者があるのなら江戸時代か?」
「もっと古い時代じゃないのか?歴史をやっている俺でも分からん。
学生に教えるような内容ではないかもしれないから教えないとしても知り合いの歴史学者聞けば何か分かるかもしれない」
社会の先生が知人に連絡する。電話で何か話している間、俺達は切り替えて会議を再開しようとすると松本が突然入ってきた
どうした?と思った俺達。突然会議室に入ってきたので先生達が注意をするがそれを無視する松本
「どうしたんだ?松本、そんなに急いで・・・」
「そんなに急いでじゃない!問題発生だよ。京都で封印の石が割れて問題が起きたの!」
どうやら、先ほどから話しているその石は重要な物らしいな。先生達は何を言っているのか理解できなかったが相手は始原だ。何か知っているのかと聞こうと待っている。何が起きたのか説明してくれた
「先程、京都の・・・名前は言えないけど京都の山で300年以上封印されていた封印の石が割れたのは分かる?」
頷く俺たち。京都で大きな気配が感じると2人が教えてくれたからある程度は知っているが問題でもあるのか?と思っているとさらに続けて松本は言う
「その石に封印されていたのは300年以上前に始原の次としてー
いや、当時の始原がそこまで脅威と感じていなかった時代に異能の怪物として恐れられていた者達がいた。その者達は多くの人達を巻き込んだ最悪の異能者と呼ばれていた」
詳しく聞くと300年以上前、始原が危険視されていなかった日本に異能の化け物と呼ばれた者達がいたらしく、その脅威は当時の最高権力者達や魔術組合の人達ですら止めることができなく、封印を選択するほどの危険な者達だったらしい。
それを聞くと嘘だろと思うが生きる偉人みたいな存在の1人である松本から見る感じでは嘘をついているようには見えない
「やばい者達が解けたということか。だが、それほどの危険人物とは思えないが・・・」
300年前の怪物達が解かれたと言われてもそこまで実感はない皆。始原がそこまで有名になっていない時代といえば能力者も魔法使いもそこまで強くなっていない時代だ。
ならば問題はないのでは?と思ってもおかしくない。俺もそう思っていたが首を振る松本
「現在の実力者でも通用する。封印時なんて数百人の能力者が命を犠牲にする縛りを結ぶほどだよ?
当時の人達は今の人達より身体能力がかなり高く、能力と魔法がそこまで発展してなかったとしても現在の人達に通じる時代、その時代で危険視していたのなら?」
松本に言われて何も言えない俺たち。どうやら、平和ではなくなったみたいだ
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