第27話 嵐を待っている
耳を澄ましても何も聞こえない
深い青に沈んだような静寂の中
僕は嵐を待っている
風が徐々に強くなってきて
窓の外木の枝が激しく揺れる
叩きつける雨を待て
殴りかかる風を待て
何もかも洗い流してくれるような
そんな嵐を待っている
透明に広がる波紋を聴く
無限に広がる幾つもの輪を見る
静かで静かな時の流れ
壊したいくらいおだやかな
僕は嵐を待っている
僕は嵐を待っている
何もかも薙ぎ払えばいい
そしてそれを
いつまでも言えないでいる
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