第25話 悪くない空


日が完全に沈む直前の空が

淡く金色に染まるのは

案外悪くないと思う

この世界のことなんて

何ひとつ信じちゃいないが

今この一瞬だけは

己の存在を肯定しても

いいような気がするんだ

夕方の生ぬるい風を吸い込んで

西の方を振り返る

もう灰色に包まれた空が

何も言わずこちらを見ている

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