第50話 小隊戦と神08

 僕は電子カードを見て考えていた。

 小隊同士の戦闘で知り合ったスピリットユーザーのことだ。何と返事を返せばいいかわからない。

 僕はウワサ話を思い出した。

『仮想空間での呪いのウワサを知っていると思う。それは存在するので気を付けて欲しい。不快な気配を感じたら逃げるように。何かあればこちらにメールして欲しい。少なくとも頭の隅にでも入れて欲しい。それから、そちらに移籍する気はない。スピリットユーザーが集まりすぎると目立つからだ。それは危険と判断している。だが、同時にスピリットユーザーの受け皿になって欲しいとも思っている。矛盾するが、息災であるのを願っている』

 僕はメールの内容を見る。

 説得力のなさに嫌になる。しかし、僕の文章能力ではこれ以上はうまく書けない。

 僕はメールを投げた。

 僕は日課となっている魔術書を売っているユーザーを探して回った。


 スペースギアでは、新しく機能を向上させたので、みんなとオープンワールドの宇宙空間で試していた。

「機体が思い通りに動くようになったー。でも、動きはまだまだ遅いかな」

 マイリは踊るように機体を動かして試していた。

「火器管制チップはいいですね。動き回るマイリをロックオンできます」

 キルスティは新しくして満足しているようだ。

 ポムポムは泳ぎ回って機体の調子を見ていた。

 残るはシルバである。未だに決まってないようだ。

「火器管制チップは新しくしたぞ。基礎フレームもな。だが、新しい武器が決まらない」

 僕はショットガンを薦めてみた。近距離の武器としていいだろう。

「ますます、悩む」

 ミサイルポッドとキャノンぐらいだろう。シミュレーションをして合う方を選べばいい。

 僕たちはダミーバルーンを敵として武器の試射をしていた。そんな時に、不快な気配を感じた。

「何か来ていますね」

 キルスティは僕の機体に近寄った。

 呪いの気配がするので、みんなは、ログアウトの用意をするように。

 残る三人も集まった。

「やっちゃ、ダメー?」

 マイリは戦いたいようだ。

 呪いに耐性があるのは僕だけだ。素直に避難して欲しい。形代という残機がいくらあっても足りない。

「わかりました。艦に帰ります。マイリも帰るわよ」

 キルスティはいった。

「なぁ。オレでも勝てるか?」

 勝ち負けの問題でない。感染するかの話だ。呪いに耐性を持つのが先だ。

「オレでは無理と?」

 それなりの力が必要だ。素直に逃げて欲しい。

「でも、おまえは戦うんだろう?」

 確認するだけだ。見たら逃げる。

「わかった。ポムポムもいいな?」

「でも、レオンさんは残るんですか?」

 確認したら逃げる。心配はいらない。

「わかりました。先に帰ります」

 四人は先に艦に帰った。

 僕は敵が近づくのを待った。

 モニターに敵が映った。

 敵は大型の機体だ。不明機の調査と撃破に使われる機体だ。たくさんの武器と盾を持つ。コンテナが四つ固まった形だ。だが、中心には弱点となる通常の人型機体がいる。その機体を倒せば敵は止まる。

 僕はスペースギアに干渉している魔術師か呪術師を特定しないとならない。

 僕は拡散荷電粒子砲を放った。

 敵は複数の盾を前に出して防御した。変なバリアはないようだ。

 相手の機動性は高い。すぐに僕のわきを通りすぎた。こちらが攻撃したので攻撃を防ぐしかなかったらしい。

 敵は機動性は高いが運動性は低いようだ。通りすぎてから回頭するのに時間がかかっている。

 僕はレールガンを背後から回して腕で抱えるように構えた。

 僕は突進してくる敵にレールガンを放った。

 敵はシールドが一枚だけ弾いただけだ。

 僕は拡散荷電粒子砲を放って敵を避けた。

 突進して質量で倒す気らしい。

 僕は敵の突進を避けて、レールガンで攻撃する。

 敵の盾がなくなると、敵は多弾頭のミサイルをバラまいた。

 僕は拡散荷電粒子砲で墜とすが、残りは向かってくる。

 僕は逃げながら、集まって直線になるミサイルに拡散荷電粒子砲を撃った。

 ミサイルは誘爆して拡散荷電粒子砲のように放射状に爆発した。

 僕はレールガンで中央の弱点に狙撃する。敵の人型機体の頭は吹き飛んだ。しかし、戦闘能力はなくなっていない。

 コンテナからバズーカーがたくさん生えた。そして、横殴りのバズーカの雨が降った。

 僕は慌てて回避する。

 敵が通り抜ける後ろから、拡散荷電粒子砲で敵に攻撃した。

 大きな的である。外す方が無理だ。僕は敵のバズーカーを避けながら、拡散荷電粒子砲と共にアサルトライフルを連射した。

 敵のコンテナから爆発が起きる。そして、誘爆したのか敵は沈んだ。

 思ったより強くはなかった。僕は残骸に残る呪いの気配に集中して敵を探った。相手との線がつなが時に式神を放った。そして、呪いを力ずくで破壊した。

 敵のスピリットユーザーは反動で苦しんでいるだろう。僕は父に緊急とメールを出した。


 僕は戦艦に帰った。すると、格納庫では四人が待っていた。

 ハッチを開けて外に出る。

「どーん」

 マイリが飛んできた。僕は受け止めて機体をつかんで勢いを消した。

「戦っただろう?」

 飛んできて機体につかまったシルバは怒っていた。

 ちょっと、遊んだだけだ。敵は強くなかった。

「それなら、オレにも戦わせろ」

 何がきっかけで呪われるかわからない。慎重に行動しないとならない。

「それなら、戦う必要はないだろう」

 僕は調査のことはいえない。そのため、ウソをいわないとならない。

 潰せる呪いなら潰した方がいい。被害が大きくなる。

「本当ですか?」

 キルスティは責める目をしていた。

 スピリットユーザーとして対処できる。遊んでいる場所は荒らされたくない。それだけだ。

「本当に?」

 ポムポムは自力で機体まで来たようだ。

 もちろん、また、メンテナンスで遊ぶ時間を削られたくない。

「それで、呪いは?」

 敵とともに消えたと伝えた。

 実際は僕が壊した。

「なぁ。オレたちは参戦できないのか?」

 少なくとも自分を守る力がないとできない。今のままの四人ではできない。

「自分を守る方法は?」

 それは呪術や魔術になる。お勧めしない。中途半端に習えば闇に落ちる。

「おまえは教えてくれないのか?」

 教えられない。僕は父の知り合いに、簡単なまじないを教えてもらっただけだ。だから、中途半端の知識だ。それに逃げるために学んでいる。人に教えるほど理解していない。

 何より、本当のことは話せない。

「紹介してくれた人は?」

 キルスティはいった。

 あちらは専門家だ。しかし、僕は素人である。呪われたら専門家に頼むだろう。何より、素人とプロでは差が大きい。呪いを祓いたいのなら本格的な修行が必要になる。山ごもりはしたくないだろう。

 みんなは黙った。

 みんなは理解したようだ。本物は厳しい努力をしていると。

「ですが、レオンさんが戦う意味はないと思います」

 キルスティはまだ怒っていた。

 僕の気まぐれである。敵が弱いので戦った。確認したら、逃げる予定だった。それに、残機もみんなと同じように三つある。倒されても問題はない。

「それでも……」

 キルスティは黙った。

「ダメだよ。おイタしたら」

 マイリにしかられた。

 マイリの陰りのない目に、ごめんと素直に謝った。

 その後、みんなから説教された。

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