第4話 五色揃った!魔法少女じゃなく戦隊ものじゃないよな?
「風が動いた……」
緑色の髪をした少女が呟く。
背後で鎖に巻かれて暴れる『青い髪の幼馴染みの少女』を悲しそうに見遣る。
「助かるのかな…。」
ただ呟いて空を見上げていた。
道中は賑やかになった。
金髪と赤髪の超美少女が楽しそうに会話してる。
その前を歩く俺。
時折そっと二人に視線をやると、二人は気が合ってる様子だ。
不意にミアと目が合ったので、この際だからとミアに尋ねる。
「後どのぐらいで目的地に着くんだ?」
すると、思いがけない返事が返って来る。
「……え?セートが道を知ってるんじゃないの?」
「え?」
「え?」
俺達は目的も無く歩いていた……?
「セートが気の向くまま歩けばいいと思うわ。」
レティーシアが、そんな事を言ってくる。
俺は困った顔をしていたんだろう、レティーシアが微笑みながら続ける。
「セートのスキル「絆のスキル」は、自然と対象の相手に引き合うの。だからセートが変身させることが出来る人の場所に、セートは向かってるの。」
成る程、便利だな。
レティーシアは物知りだなー。
小一時間程歩くと、村っぽいのが見えてきた。
だいぶ暗くなってきたから、夜更けになる前に辿り着いて良かった。
村に入ろうとした時だった。
「セート、ミア、危ない!」
レティーシアは叫ぶと同時に結界を張った。
金色の光が俺達を包むほぼ当時に、レティーシアの結界に青い魔力がぶつかる。
レティーシアの結界が破れる事は無いようだけど、レティーシアの魔力が尽きれば、結界が消えてしまう。
俺は急いで変身のワードを唱える。
「白き光よ、俺に力を!」
「紅き炎よ、拳に宿れ!」
白い光が呼応して輝き、身体に力が満ちる。
普段着が光にほどけて消え、全裸のシルエットが光に包まれる。
白のフード付きローブが、光から編まれるように身体を覆う。
光が足元に集まり、白いブーツへと変化して装着。
最後に白い天使の輪が頭上に発光し、変身完了。
ミアも続けて変身した。
ミアの歌声に呼応して炎が立ち上がり、身体を包む
普段着が炎の光にほどけ、全身が赤い光に包まれる
炎の粒子が集まり、ショートジャケットと炎スカートが編まれるように形成。
足元に炎が集まって、赤×金のブーツが装着される。
髪が炎の風に揺れ、三つ編みから、高い位置のポニーテールに結い直される。
赤い天使の輪が頭上に浮かび、最後にガントレットを装着して、変身完了。
結界の中から様子を窺うと、青い髪の色の少女が、ボロボロになった緑色の少女の髪を掴み引きずってこっちに向かって来ている。
さっきの青い魔力は、この少女のものだろう。
二人がどういう状況なのか、判断がつかない。
そう思考してる間にも、レティーシアの魔力が削られていく。
魔力を込めた歌を俺は歌おうとする。
「待ってセート!その子は仲間よ!殺したら駄目!」
魔力が削られて辛そうに結界を維持するレティーシアの言葉に、俺は歌うのを止める。
でもこのままじゃ……!
「コロス……人間ハミンナ!」
虚ろな目で青色の髪をした少女はそう呟きながら、俺達に近付いて来る。
「これって、操られてる?」
「そうだね、きっと魔族の奴らが!」
俺の言葉にミアが返事をした。
すぐにミアは歌おうとする!
「み、ミア、一体何を!?」
「操られてるんなら、ボコボコにすれば目を覚ますかなって?」
ミアって見かけと違って脳筋?ってやつなのか……?
ミアの言う事にも一理あるかも。
「だ、駄目よ?普通の人に魔法少女の魔力を使ったら、死んでしまうわよ!?」
ミアと俺の会話に突っ込みを入れるようにレティーシアが告げる。
ん-、なら……
考えた末に俺は一つ方法を思い付いた。
俺は歌を歌い始める。
レティーシアが心配そうな顔を浮かべたので、俺は「大丈夫」と親指を立てて合図する。
そして……
俺の思うままの歌を唄う。
俺の身体から魔力が流れて、青髪の少女と緑髪の少女に俺の魔力が向かう。
手を繋がなくてもスキルを使えるようになっていた俺。
心配そうにレティーシアがそれを見守る。
そして、二人に俺の魔力が吸い込まれると、力無くぐったりしていた緑髪の少女が意識を取り戻して、二人はほぼ無意識に歌を唄う。
二人の服が弾けて変身していく。
「青き水よ、私に流れ込め!」
青い髪の少女が叫ぶ。
「緑の風よ、そよいで力に!」
ほぼ同時に緑の髪の少女が叫ぶ。」
青髪の少女の歌声に呼応して、水が立ち上がり身体を包む。
服が水の光にほどけ、全身が青い光に包まれる。
水の粒子が集まり、ショートジャケットとスリットスカートが編まれるように形成
足元に水流が集まり、青×銀のロングブーツが装着される
髪が水の風に揺れ、透明な水滴の髪飾りが浮かんで、変身完了。
続いて緑髪の少女が変身する。
普段着が風の光にほどけ、全身が黄緑の光に包まれる。
風の粒子が集まり、ショートジャケットとフレアスカートが編まれるように形成。
足元に風が渦巻き、白×黄緑のブーツが装着される。
髪が風に揺れ、風のリボンがふわりとツインテールに結ばれて、変身完了。
変身を完了した青髪の少女が再び暴れ出す。
緑髪の少女は変身してダメージが少し回復したためか、青髪の少女から離れて風の結界を張る。
青髪の少女はでたらめに魔法を繰り出して、氷の礫を俺達に向けて放つ。
遅れてレティーシアも変身を開始した。
「黄金の光、私を包んで!」
レティーシアの歌声に呼応して、金色の光が舞い上がる。
普段着が光にほどけ、全身が柔らかな光に包まれる
光の粒子が集まり、白いトップスと黄色のスカートが編まれるように形成される。
足元に光が集まり、白×金のブーツが装着される。
後頭部に金色の光が集まり、三つ編みが編まれてハーフアップに変わる。
最後に金色の光輪が頭上に発光し、変身完了。
レティーシアは結界を強める歌を唄ってみんなを結界で包む。
歌で強化された光の結界は、青髪の少女の攻撃をたやすく受け止める。
でも「ここからどうするの?」という表情でレティーシアが見て来る。
俺はこの戦いの方向を決めていた。
「ミア、やっちゃえ!」
「あいよっ!」
俺はミアを青髪の少女にけしかけた。
ミアは俺の合図に従い、歌を唄って魔法の炎を次々作り出し、青髪の少女に向けて攻撃する。
ミアの炎を受けて辛そうに青髪の少女が繰り出した氷も、ミアの炎に焼かれて溶けてしまい攻撃が一切封じられてしまっている。
そして、ミアが青髪の少女に一気に詰め寄って、炎を纏ったガントレットを装着した拳で青髪の少女をぶん殴った。
吹っ飛ばされ、木に身体を打ち付けた青髪の少女の少女はぐったりと動かなくなり、同時に魔法少女のの衣装が解除された。
ちょっと心配だけど、魔法少女になれば魔法少女に攻撃されても死なないで耐えるんじゃないかなと思った作戦だった。
みんなも魔法少女モードから戻り、青髪の少女に近付く。
レティーシアが治癒魔法で青髪の少女を癒す。
「う……」
すぐに気付いた青髪の少女は、俺達を見る。そして……
「御免なさい!」
どうやら操られていた時の記憶はあるようで、申し訳なさそうにみんなに謝る。
「特に、ベル!ほんっとうに御免!!」
ベルとは、緑髪の少女のことらしい。
「エリン、洗脳が解けて良かった…。」
「私が操られている時、ベルが必死に私を最後まで私を止めてくれたのを覚えて居るわ。」
「凄い力だったから、村中の人間でやっとエリンを止めるために鎖で繋いだんだけど…。」
困った表情でベルを見ながらエリンは経緯を口にする。
魔族に操られたエリンは繋がれた鎖まで千切って暴れた。
ベルは、その状態のエリンを身体を張って止めていたらしい。
「ところで、魔族の洗脳を解いてくれた貴方たちは勇者様?」
「それにあの衣装は?歌は?」
エリンとベルは続けて尋ねて来る。
「えーと、俺が勇者らしくて、俺のスキルで、魔法効率や身体強化するあの衣装を身に纏う状態に出来るんだ。」
成る程ーと理解したエリンとベルは見合って頷く。
何故かミアまで「そうだったんだ!」と驚いていた。
ミアは脳筋の天然さんかな?
「じゃあ常に変身してればいいんじゃん?」
ミアがそんなことを言い出したが、俺もそれはちょっと考えたけど、多分そんな都合よくはいかないんじゃないかな?
戦闘後勝手に変身解除されてるし。
「ん-と……あれは衣装を介して魔法効率を歌魔法で上げて、全力で魔力で肉体を放出してる状態なの。頂点状態が爆発したら、その状態は消え去ってしまい、変身も消えるのよ。」
変身と歌魔法に知識が無い俺達は、解説しだしてくれたレティーシアの言葉に耳を傾けた。
「じゃあ変身が解けたら魔法も使えないってことかしら?」
青髪のゆるふわロングヘアの巨乳のお姉さんエリン――さっきまで青髪の少女って呼んでいたけど、仲間にもなったしこれからは名前で呼ぶ――が追加でレティーシアに尋ねる。
「それは人に寄るの。魔力が多ければ、同じ戦闘をしても魔力は残るでしょ?次に変身できるまでの時間も早いでしょ。魔力が多ければそれだけ回復も速いから、次の変身までの時間に、出来るだけ魔力を温存して変身に魔力を使った方が、効率がいいから…。」
説明してたレティーシアにみんなの視線が集まってる事に気付いたのか、そこまで言うと真っ赤になり、レティーシアは恥ずかしそうに俯いてしまった。
可愛いな。
「とりあえずごはん食べようー!」
この変な沈黙を打ち破ったのは、エリンにぼろぼろにされていた、緑の髪の少女ベルだった。
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