静的な物語①
以上の前提を踏まえて、静的な物語モデルについて説明をしたい。
まず、初めに言っておくと、静的な物語とは、端的に言えば、主にインターネットがこの世界を覆い尽くす前の物語環境であると言える。
私がこの際想定しているのは情報伝達手段が、小説やテレビ、新聞などのマスメディアが主流であった、主に昭和の時代からスマホが普及するまでの時代である。
これらの時代、情報は基本的に上から下へと流れていた。
そして、人々にどんな情報を届け、どんな情報を捨てるのかは、それを決める上部が存在し、彼らが影響力を持っていた。
小説では出版社や作家、テレビ番組ではテレビ局、新聞では新聞社。
そういった存在が権力を持っていた(実際の様相はもっと複雑であろうが、ここでは簡易的にそうであるとする)。
それに比べて、横同士の繋がり、個人間のネットワークは非常に限定的で、家族や友人などに縛られ、濃度が高かったが、規模は小さかった。
このように上から下への情報伝達が横同士の繋がりよりも圧倒的に力を持っていた時の物語環境を、「静的な物語」とみなす。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます