『最強だったけど隠してたら、なぜか全員が俺を崇め始めた件』

まさやん

第1話 追放された最弱? それ、俺の“隠しステータス”見てから言え

「お前なんか、もういらない。今日限りで“追放”だ」


王都学院、英雄科。

俺は《評価F》の烙印を押され、全校生徒の前で追放宣言を受けた。


 


「……ああ、わかったよ」


そう言って、俺――《ルシアス・フェルディア》は黙って学院を後にする。


 


(バカどもが……)


俺は笑いを堪えながら、ポケットの奥に隠された《ユグドラシルの証》を撫でた。


 


これは、かつて世界を救った“神の戦士”だけが持つ、最強のステータス隠蔽指輪。


その真価は――


 


「──戦闘能力、全項目MAX。魔力変換率、100%。固有スキル《時空超越》、発動可能」


 


俺の《本当のステータス》は、誰にも見せていない。

いや、正確には“見せられない”。


なぜなら、こんな数値を出したら――


 


(また、あの時みたいに……仲間も、家族も、全部が壊れる)


 


かつての英雄戦争。

俺は神すら一撃で葬る力を持ちながら、それを隠し、名を捨て、姿を消した。

そして、“ただの無能”として新しい人生を歩むことを選んだ。


 


……だったはずだった。


 



 


「ん? あれって……ルシアス様じゃありませんか?」


「うそ、あの《神滅の剣》を振るったっていう伝説の……?」


「この人が……《世界を救った影の英雄》!?」


 


おい、やめろ。

誰だそんな情報を流したのは。


 


「お願いです、わたしを弟子にしてください!」

「おれの領地を守ってくれ!」

「魔王が来たんです、どうか助けてください……!」


 


──なぜか、俺は放っておいてくれないらしい。


 



 


「……仕方ないな。少しだけなら、動いてやるか」


俺はフードを被り、剣を抜く。


 


――そして、神話が再び動き出す。


この世界が、俺を“放っておく”ことなど、決してできないのだから。


 


 


つづく

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