2024年2月14日 ②
香菜の家を出た後、僕は玉川と飲みに来ていた。
「お前、毎日会ってんだろ。今日はどうだったんだよ?」
「今日は大学を見て回ったよ。僕はとても楽しかったし、香菜も喜んでた。黒板に絵も描いてきた。その絵、消してないんだよね。もしかしたら怒られるかも」
「楽しそうだな」
「今は本当に楽しいよ」
僕は目の前にあった枝豆を摘まんだが、今日はあまり酒を飲む気分になれなかった。グラスの中のレモンサワーはいつまでも減らず、店内のざわめきだけが耳に届く。
「実は相談したいことがあるんだ」
玉川はゆっくりとウーロンハイを飲み干し、こちらを見た。
「僕はアメリカについていきたいんだけど、親に止められてて、康平さんは来なくてもいいって言ってくれてるんだけど」
「なるほどな」
玉川は枝豆を食べながら言った。
「俺はね、自分のことが最優先なんだ」
玉川は少し酔ったように言った。
「だから、自分にダメージが少ないように生きてる。だから、俺なら行かない。けど、最後に決めるのは神田、お前自身だ。自分で決めたことの結果に何があろうと、それを受け止めるための準備が重要なんだ」
「準備……か」
確かに僕は現実的に見て、アメリカに行くための準備が出来ていなかった。今まで逃げていた自分の弱さを、玉川の言葉があぶり出したようだった。でも、気が付いた時には遅かった。だからここで決めた。
「アメリカには……行かないことにする」
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