第2話 クラスの美少女
俺たちのクラスで美人を挙げるならこの二人になるだろう。
高田有佐はショートボブの笑顔がまぶしい子。誰にでも話しかける気さくさもあり、クラスで最も人気があった。その親友の麦島奈保美は黒髪ロングの真面目系。ときどきかける眼鏡も似合っていた。美人だがあまり話しているのを見たことが無く、少し冷たい印象を与えていた。
まさかこの二人が来るとは。確かに美柑はこの二人とたまに話していたが、こんなときに誘えるくらい仲良かったんだな。
植田の前には麦島さんが座った。ということは、俺の前には高田さんかよ。気さくな子だが、一番人気と話すのはさすがにハードルが高い。
「今日はよろしく!」
高田さんが明るく言う。麦島さんは何も言わずにスマホで注文をしている。
「おう、よろしくな。高田さんも何か頼んで」
高田さんにそう言ったのは俺では無く植田。俺は2人が来たことに対応出来ず、ただ見ているだけだった。
「ふふ、萩原っち、びっくりした?」
俺の態度を見て徳淵美柑が言う。
「さすがにな……まさか、この二人が来るとは思わなかったし……」
「え? そう? 私たち、美柑と仲いいよ」
高田有佐が言う。
「あ、それは知ってたけど……」
二人がこういうのに来るようなイメージが無かった。二人とも彼氏が居て当然のような感じだし。
「注文終わった? じゃあ、自己紹介しようか」
美柑が言う。
「いや、クラスメイトなんだからいらないだろ」
植田が言った。
「だって、萩原っちのこととか2人は知らないでしょ」
美柑の言うとおりだろうな。植田は既にクラスの人気者だが、俺はその周りに居るよく分からないやつって感じだろう。もちろん、この二人とも話したことは無かった。だから当然俺のことはよく知らないはずだと思っていたが――
「知ってるよ、
高田さんが言う。
「へぇ、フルネームで知ってるんだ。有佐、もしかして、萩原君のこと、気になってた?」
え!? と思い、思わず高田さんを見る。
「うーん、ちょっとね」
「え、マジで!?」
俺は驚いて言う。
「冗談、冗談」
高田さんが笑った。なんだよ、ノリ突っ込みかよ。本気にして恥かいたな。
ふと見ると麦島さんもうっすら笑ってる。まあ、みんなを笑わせることが出来たんならいいか。
「で、植田柳治君でしょ。そして美柑の彼氏の相良道男君」
「さすが、下の名前まで完璧だね」
美柑が言う。
「私は名前までは覚えてなかったわ」
麦島さんが初めて口を開いた。
「そんなもんだよね。だから、自己紹介して欲しかったんだけど。もう男子の名前は言っちゃったからじゃあ女子2名、よろしく!」
美柑が言う。
「はい、私は高田有佐で、隣が麦島奈保美よ」
高田さんが二人分の名前を言った。
「ちなみに二人とも彼氏は居ません!」
美柑が言う。
「なにこれ、合コンなの?」
麦島さんが美柑に言った。
「あれ? 言ってなかったっけ?」
「友達とマックに行くとしか聞いてないけど」
「男子と、って言ったでしょ。合コンみたいなもんよ」
「そうだったんだ――でも、私は彼氏とか作る気ないから場違いね」
麦島さんが言う。
「まあまあ、別にすぐ付き合おうとか男子も思ってないから。ね?」
美柑が俺たちに聞いた。
「もちろん。単に女子と仲良くなれたらいいなって思っただけだ」
植田が言う。
「仲良くねえ……」
麦島さんは不審そうに言った。
「別にいいんじゃない? 私たちも仲いい男子いないし。彼氏は作らないにしても男子とも話したいなあって私は思ってたよ。なかなか、きっかけないし」
高田さんが言った。
「だよね、仲良くしようよ」
「別にいいけど……」
美柑の言葉に麦島さんはしぶしぶといった感じで了承した。
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