第31話

●モニターを見つめる馨/特殊回線でアラタとモニターで会話している


馨「どう? そっちの訓練は?」


アラタ「人類初の宇宙戦訓練ですからね。なかなかハードですよ」


●アラタの訓練シーン。

●訓練シーンに続いて宇宙服を着た宇宙戦メンバーが並んでいるカット/その中の一人がアラタ


馨「なんか痩せた?」


●馨の問いに薄く笑うアラタ(以前より距離が近づいたような雰囲気になっています)


アラタ「かもしれませんね。体力は落ちていませんので、お気遣いなく」


●アラタの言い分にこちらも少し笑う微笑む馨、ふと思い出したように。


馨「そういえば、源さんから連絡は入った?」


アラタ「ああ、クローンAIの件ですか。僕をもう一人作るとか」


★源さんとの会話回想 ---------------------------------------------------------------


●馨と会話するのと同じようにモニターに映るアラタ。


アラタ「僕にできるなら答えます。開発のためですので」


源さん「いやぁ、嬉しいね。えーとじゃあ……」


●モニターの向こうの源さん、手元のタブレットとキーボードを叩きながら。


源さん「好きな食べ物は?」


アラタ「…………は?」


――15分後


●頷きながらデータを打ち込んでいる源さん。


源さん「おっ、これは俺も気になるなぁ。好きな女性のタイプは? ほら、可愛い系とか指が綺麗とか」


アラタ「………………」


●いつものように涼しげな表情だが目元が明らかにげっそりしているアラタ。


★源さんとの会話回想終了 --------------------------------------------------------------


●馨、困惑して少し引きつった笑いをしながら。


馨「あー……それってなんか意味あるのかな?」


アラタ「こっちが聞きたいですよ」


●その時やり取りを思い出したかのように手を顔にあて、うんざりした顔をするアラタ。そんなアラタの様子に「大変だな」というように笑う馨。


馨「ともかく、元気そうでよかった。また何かあったら情報共有するよ」


アラタ「わかりました。よろしくお願いします」


●敬礼するアラタ/馨も敬礼して通話が切れる。


-----------------------------------------------------------------------------------------


●さらに数日後、隊長室の北野のデスクの前に並ぶ馨と源さん。

●タブレットを使って2人の提出したデータを見る北野。

→「ふぅ」と大きい息をついて2人に告げる。


北野「荒は多いが……新リンク攻撃、面白ぇじゃねえか」


馨「あ、ありがとうございます!」


●緊張している馨/源さんは「ありがとうございます」と言うように軽く会釈する。


北野「ミーティングで〝皆の命をくれ〟とか言ったものの……俺もな、色々考えてたんだ」


●タブレットを机に置き、2人を見る北野。


北野「俺は負けるのが嫌いでね。ただ、どう考えても今回は勝ち目がねぇ、何とかできないかと」


北野「……で、思ったのさ」


●北野の顔のアップ。


北野「やっぱり俺たちは俺たちらしく、『9人』で戦うしかないんじゃないかってね」


●アラタがいた頃のタカチホ第参ベースのカット入る。

●第1~第3小隊のカット入る。


北野「齋藤は主軸だ、あいつを欠いて勝負はできねぇ。何とか齋藤に代わるパイロットを探したが、どこもかしこも人手不足だ」


●疲弊している国防軍/救助されたり包帯を巻かれているパイロットたちのカット入る。


北野「東京タワーの周りには手練れのパイロットが駆るコロッサスの群れ」


●コロッサスが集結する東京タワー周辺のカット入る。


北野「そんな中に学生あいつらを突っ込ませても秒殺だろ?」


●破壊される学生たちのコロッサスのイメージ。


北野「俺みたいな古い人間には、正直AIなんかに何ができるのかてんでわからなかったが……」


●北野、再びタブレットを手に取り、満足げに微笑む。


北野「若い奴らに1本取られたって感じだ」


●北野、椅子から立ち上がる。


北野「――よくやった。足りないもんがあれば俺に言え。可能な限り揃えてやる」


●嬉しそうな馨、しかし「足りないもの」と聞いてすぐに顔を曇らせる。


馨「あの……パーツが圧倒的に足りません」


●頷く北野、「わかっている」と言うように。


北野「だろうな。1回の戦闘の必要量とそれが何日分いるのか調べておけ」


北野「いっそ俺らで東京タワーを攻略する気でいくぞ」


●そんな北野隊長の意気込みに「うへ~」とやや引き気味の源さんが言う。


源さん「……なんか北野隊長、楽しそうじゃないですか」


●源さんの言葉に北野はニヤリと笑う。



北野「仲村班長のプラン。これを見ちゃあな」


●北野がタブレットの画面を二人に見せる。

→そこには「勝利条件:生きて帰る」と書かれている。


北野「俺は昔っからFPSが好きでな。こう書かれちゃグッとくるだろうが」


●「FPS」という言葉にピンときていない表情の源さん、一方馨は驚いている。


馨「隊長、ゲームとかされるんですか!?」


北野「おう、なかなかのゲーマーだぞ? 俺は」


●破顔する馨、「そうですか…」と言いたげな源さん。


北野「『生きて帰る』、いいじゃねぇか。タカチホ第参ベースはそれでいく」


馨「はい!」


源さん「うっす」


●北野に敬礼する2人。

●作戦開始まで◯◯日のカウントダウンでEND。


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