コミュ障の初恋の女性は人妻としてストーカー行為をしてきます

のんびり

高校時代

第1話 ぼっちの日々

 俺の名前は無口達。公立やまびこ高校に通学中の高校二年生。身長は165センチで、体重は48キロ。


 細身の体ながらも、体はムキムキに鍛えている。ボディビルダーとまではいかなくとも、かなりの筋肉質である。


 顔を隠すために、前髪を伸ばしている。ゴムでくくらなければ、口元に届きそうな勢い。前髪が目に入らないよう、眼鏡をかけている。こちらについては、必須アイテムとなっている。

 

 後ろ髪は定期的にバリカンで刈り上げている。前髪の長いものの、うしろはかなり短め。はた目からすれば、アンバランスな髪型である。


 クラスメイトが楽しそうにおしゃべりをしている中、独りぼっちで過ごしていた。その様子は水の中に浮かんでいる、孤島さながらである。


 一人になったきっかけは、感性があまりにかけ離れていたからである。話をするたびに、「変わり者」、「普通とは違う」、「常識を身に着けたほうがいい」などといわれ、対人関係が極端におっくうになった。徐々に話す回数は減っていき、中学にあがったころには、誰とも話すことはなくなった。


 他人と親しくなりたいという気持ちを捨てたことで、学校生活は快適なものとなった。第三者から好かれる必要はないといわれるけど、まさにその通りといえよう。


 両耳に耳栓をしたあと、ゆっくりと空気を吸った。音を遮断したこともあって、空気は少しだけおいしく感じられる。


 空気を吸ったあとは、両目をつぶった。視界も遮ることによって、一人きりの世界に突入。何人たりとも、こちらの世界観を侵すことはなかった。


 目をゆっくりと開けたのち、前髪をくくりなおした。髪の毛の隙間から見える教室は、わずかに変化したように見えなくもなかった。

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