第5話

俊の実家に着いて2人でパソコンの前に座る。急いでコードを確認する薫。本当だ。強い愛で自己学習させるようなコードになってる。元のコードに直すのは容易いが、誰がこんなコードにしたんだろう?

俊「上書きした人がいるね。その足跡を追おう。」

俊の言葉にこくりと頷き、カタカタと足跡を追う。すると、アメリカ大陸にある薫のパソコンから上書きされていることが分かった。

薫「わたしのパソコンだ。どういうこと?誰かが入ってきたのかな?それともお母さん?」

俊「んー、、、これ、俺の仕事だな。そうだなぁ、、、あ、分かった。これ薫のお母さんだ。薫、よく聞いて。」

薫「ちょっと待って待って。お母さん?知識があるのは分かるし、このコードがお母さんが書いたって事も分かる。コードを教えてくれたのはお母さんだから。でもそれを何で俊さんが分かったの?」

俊「見て。この映像。電源が落ちているときにサングラスかけてカットバンを貼ってる人がいる。この骨格。指。髪型は帽子で分からないけど、髪型が分からない方が人は特定しやすいんだ。これ、薫のお母さんだよ。ここまでして薫のコードを上書きしてる。分かるかい?」

薫「分かる。お母さんならやりかねない。でも今からアメリカ大陸に行く訳にはいかないから、電話で何とかしたいんだけど、電話番号すら知らないの。」

俊「うん。俺、薫の隣の家に住みたかったからホームステイって形をとったんだ。薫の事、知ってたんだよ。お母さんのこともチェックしてた。世界平和の維持が俺の仕事だって話したろ?俺、そうのすけなんだ。粛清かけられるんだよ。薫、粛清って分かるね?」

薫「分かる。死んでしまうことでしょ?わたし、親子らしいことなんてしてないから平気。こんなコード書くなんて許せない。俊、わたしのアメリカ大陸にあるパソコンも全部霧散できる?」

俊「よし。薫が強くて良かった。そこまでできるよ。薫、お母さんと話しておくかい?」

薫「ううん。いい。お母さんには仕事させずに良い生活させてあげたのに何もしてくれなかったどころか、儲けが悪いって罵られてた。粛清して。霧散して。」

俊「分かった。今からすぐに終わらせるからね。」

数秒経ったあと、俊はまた話し始めた。

俊「全部終わった。俺の仕事って言ったろ?これだったんだ。ここまで読んでたんだ。でも俺、薫のこと気になってたから助けたくてアメリカ大陸にホームステイしに行ったんだよ。」

薫「え?そうのすけ様といえば、、、それができる、、、わたしのこと気に入ってたって本当?わたし、俊が隣の家にホームステイしに来たとき、かっこいい男の人がホームステイしに来たって話題になってたの。だからわたしの方が先に俊のこと知ってたと思ってたんだけど、俊はもっと前から知ってたってこと?」

俊は続けて話し出した。

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