第11話 策略の渦

一方、チーム6(元二年二組)誰もいなくなった教室で2人の人物が会話をしていた。


『第一プログラム終了

宮東 光 個人得点70点 チーム得点2800点』


「うん、まずまずかな」


そう言うのはプログラム説明時に守田と会話をしていた宮東 光。

彼はある作戦を実行し、20問中12問の正答をチーム全員が収めていた。


「光さんのおっしゃった通り、好成績を収めることができましたね」


「武藤、これはまだ序の口だよ。それはそれとして今回はチームfiveに痛い目を見てもらうことになっているはずだからね」


宮東と会話をしていたのは武藤 頭次(むとう とうじ)宮東の幼馴染にして唯一の理解者だ。人よりも体の大きい彼は宮東財閥において宮東 光の付き人のような立ち位置だった。


「はい、でも今後のことを考えると仕方ないかと、」


「まぁしょうがないよね。だって、今後、対戦形式のプログラムとかあったら総合力の高い方が有利だから、どこかのチームの戦力は削いでおかないと」


宮東は悪人のようにニヤリと笑った。


「本当はこんな悪い性格してるなんて知られたら、それこそウチの学級崩壊ならぬチーム崩壊ですね」


「そういうなよ、うまくやってんだからさ。それにしても今回の作戦案外上手くいったよな?」


「あぁ、チーム6から8(元二年二組、三組四組)で票を固める作戦ですか、まぁ反則ギリギリでしたけどね、」


「組織の本部側も端末にチャットアプリなんか入れてるから連絡し放題だったなw」


そう彼はチーム6から8で手を組み、チャットアプリで主要人物と連絡を取っていた。そして、その結果選ぶ選択肢を机を叩くなどしてチームに合図していたのだ。もちろん、宮東の他のチームメイトは他チームとの協力を知らない。

あくまで宮東と他のチームの主要人物だけの機密情報だ。

チーム得点で協力を悟られないように2、3問選択肢は他のチームとずらしてあっているので、気づきようもない。


「まぁ他の学年も同じようなことしたやついるんだろうな」


「確かに今回の内容の割に脱落者は少なかったですもんね」


「あぁ、組織本部ももう少し多い想定してただろうな、ざまあみろだw」


「はぁ、それよりもどうして今回チーム5を狙ったんですか?」


「単純に気に入らないからかなー、早瀬川みたいな根っからのいい子ちゃんとか僕嫌いだし、それより飯行こうぜー」


武藤はやれやれといった仕草をすると、宮東に着いて行った。



そして、その2人の話を聞いていた人影が1つ。

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