第4話 料理改善

慌ただしい一日が過ぎていった。

昨日は本当に色々あったな。

俺の前世を含めたって一番濃い一日だった自信ある。

そんな事を考えながら俺は厨房に来ていた。

この世界の料理を4回分食べたわけだが、ずっとパンとスープ、目玉焼き、あじ付けのされてないサラダ、そして塩のかかった肉しかでなかったのだ。

まぁ肉がとてもレパートリーがあって美味かったけど。

塩以外しか味付けしてないのにあんなに美味いことにびっくりだ。

この世界は肉の種類が多いらしい。

一応甘いものもでたりしたが氷砂糖だった。

なんだかおかしいと思い、ミリアにパスタとかクッキーとかないの? と聞いてみると、

「パスタ?クッキー? 申し訳ありません 存じ上げないです」と言われてしまった。

そこでわかった。 この世界、料理文化が進んでいない。

これは…とんでもない問題だ。

日本で生きてしまった俺が今更これに耐えられるはずがない!!

ということで俺はシェフと話をしていた。

「それで、ロイド様は私になんのようなんでしょうか?」

シェフは少し怯えていた。

文句を言われると思っているのかもしれない。

…こういう印象も変えていけたらいいな。

「いや、少し作らせてほしい物があってね。 

プロの意見を借りようと思ったんだ。 ところでパスタっていうのに聞き覚えはある?」

「いえ、ないですね。 初耳です。 何を使うんですかい?」

「小麦と卵と塩、使ってもいいか?」

「ええ、大丈夫です。 小麦くらいでしたらいくらでもありますしクック鳥の卵でしたらたくさんあります。 それで良いのでしたら使ってください。」

びっくりだ。 この世界にはニワトリがいないらしい。 クック鳥か。 ちょっと会ってみたい。

俺はボールに強力粉を量り取りボールに入れ卵と塩を少々混ぜ合わせていく。

そうするとそぼろのようになってくる。

それを打ち粉をした台の上に移ししっかりとこねていく。

すると、まとまりだし丸い生地ができた。

これを冷蔵庫に入れて冷やしていく。

そうそう、俺はこれに驚いたんだ。

こんなに料理技術がはってしてないのになぜ冷蔵庫があるのか、と。

シェフに聞いてみると、これは水と風と無の魔力を合わせて作られた魔石で動いているらしい。

ティレオブの世界では魔法があった。 魔法には魔力という人の根源的力が必要だ。 そしてその魔力というのは一人一人に属性があるらしい。火·水·風·土·雷·闇·光·無の計八属性だ。

その属性を持った魔力が込められた石が魔石。

というのが原作の設定だ。

んで物語に出てくる魔法使いが魔石を使い魔力を削減して撃てるっていうのでよく重宝した。

…売り切れになるまでかってたっけ。 リアルでやったら普通に迷惑だな。

てことで魔石を使った家電製品は結構普及しているらしい。



あれから半日寝かせた生地を取り出した。

さすがに綿棒はなかったのでスプーンで伸ばしていく。

そして麺の大きさに切ったら茹でて完成だ。

ソースはトマトを煮て、混ぜてペースト状にしたもの―まぁ家で作れるトマト缶だ。

―それに肉と玉ねぎ、ニンジンを炒めたものをさっき作っておいた。

そうして俺はできた物を6つのさらに取り分けた。

「すっげぇ。 本当に作っちまった。 これが…パスタっていうやつですかい?」

「そうだよ。 味は…食べてからのお楽しみってやつだね。 運ぶの手伝って。」

そうして俺たちはワゴンに乗せて食堂にミートソースパスタを運んでいった。

食堂には俺があらかじめ呼んでいたクロ厶、ミリア、ルルシュさんにカルラがいた。

「みんな、またせたね。 今回はこれの感想がもらいたいんだ。」

そう言って俺はみんなの前にパスタを乗せていく。

ああ、もちろんカルラの分はこもりだ。

「あの、ご主人様わたし状況についていけていません。 説明していただけませんでしょうか。」

「うん、これはまずパスタって料理だね。 なんでみんなに来てもらったかと言うと俺はこれを特産品にしようと思ってね。 作って試食会を開いたってわけ。」

「え、これロイドくんが作ったの?」

「はい、取り敢えず冷めないうちに食べてみてください。」

俺がそういうとみんなフォークをつかみだした

みんな恐る恐るといった感じでフォークに麺を絡めていく。

そして―一口

「「「「「っっ!! おいしいっ!」」」」」

「なんですか このお肉と塩とトマトがミックスしたソース美味しすぎます!」

「この変わった形のもの「それは麺っていうんですよ」麺が独特の食感そして喉越しでとても癖になるわ」

「このソースの香りも上品で食欲を誘いますな さすが、坊ちゃま」

「すっげぇ こんな料理食べたことねぇ」

みんなはその一言を発してからは黙々と食べていきあっという間に食べきってしまった。

…なんだか自分が作ったものをこんなに美味しそうに食べてくれるのは嬉しいな。

俺は感動しつつも重要な点を聞くことにした。

「それでシェフ これをこのまちの食堂に公開してうちの特産品としたいんだけど、どう?」

「ああ、作り方も難しいわけでもないし大丈夫でさ。 それに材料も大してお金は掛かっていない。 そしてこのうまさ。 問題ねぇと思いまさぁ。」

「それはよかったよ。 クロム、忙しい中にさらに忙しくさせて申し訳ないけど、レシピを渡してもよさそうなお店のピックアップと噂を流して欲しい、お願いできるかな。」

「ええ、承知しました。 それにしても坊ちゃま そこまで領のことを考えてくださるなんて。 やはり貴方様は神のようなお方だ。 このクロム、命尽きるまで付き従うことをお誓いいたします。」

そう言ってクロムは膝を折り忠誠のポーズをとった。

ちょっとまって。 なんかキャラ変わってない?

俺パスタ作っただけだよ。

それを神に近いって…。

まぁいいや。

内心憎まれてたり覚えられたりするよりかよっぽどいい。

「ああ、おれも全力で取り組むから付いてきてくれ。」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る