第2セット 近づく

それは



突然やってくる。



プルプルプル…


女の子「はい、もしもし」


〘ワタシ、マリーさん。今、〇〇学校にいるの〙


女の子「え? マリーさん? 誰ですか?」



ガチャッ


ツーツー



女の子「……???」




プルプルプル…


女の子「…は、はい…」



〘ワタシ、マリーさん。今、◎◎駅にいるの〙


女の子「!! (わ、私の家の最寄り駅……)」



ガチャッ


ツーツー…




プルプルプル…


女の子「……あ、アナタは誰!?」




〘ワタシ、マリーさん。今、▲▲公園にいるの〙



女の子「!?い、いやっ!!」








プルプルプル…




プルプルプル…





女の子は電話をとらず、部屋の隅で震えている。




しかし





〘私、マリーさん。今、アナタの家の前にいるの〙




女の子「!!な、なんで………」





スマホの電源を切る女の子





だが






〘ワタシ、マリーさん。今、アナタの部屋の前にいるの〙




女の子「ぃ……ぃや………」ガタガタ









〘ワタシ、マリーさん〙




〘いま〙







〘ア ナ タ ノ ウ シ ロ ヨ〙





女の子の意識は途切れた。









マリーさん〘…フフフ……あの子も怖がった……。次は……〙







プルプルプル…




シゲル「むきむき?」



マリーさん〘…!?(は??……もしもし、のこと??…)……ワタシ、マリーさん。今、アナタの会社にいるの〙



シゲル「む? お客さんかな?私は本日、夜勤のみなのだが」



ガチャッ



ツーツー…







プルプルプル…



マリーさん〘ワタシ、マリーさん。今、〇〇駅にいるの〙



シゲル「……………」



ガチャッ


ツーツー…






プルプルプル…



マリーさん〘ワタシ、マリーさん。今、▲▲公園に〙



シゲル「遅いな」


マリーさん〘…え?〙


シゲル「誰かは知らないが、駅にいたということは、地下鉄を使ったようだな。徒歩もしくは競歩でも、会社から私の家まで十分に移動できる。かつ、その方がトレーニングにもなる」


マリーさん〘……………は?〙



シゲル「それに、その公園までの距離は200メートルもない。にもかかわらず、電話までの時間は3分もかかっているな。かかりすぎだ。電車移動で怠けたんだろう」



マリーさん〘………ぇ……い、いや……だから……〙




シゲル「仕方ないな」





シゲル「私が出向こう」





マリーさん〘…え?…いや、ちょ〙


ガチャッ




マリーさん〘………向こうから切られた……〙








プルプルプル…



マリーさん〘!?な、なんで………ワタシのは、非通知のハズ……〙




マリーさん〘………は、はい…〙





『私、ムキー。今、〇〇スーパーの前を通り過ぎたの』





マリーさん〘!!〙




ガチャッ



ツーツー…




マリーさん〘………〇〇スーパー………ここから5分もない………そんな……〙





プルプルプル…




マリーさん〘!!〙



ムキーさん『私、ムキー。今、✕✕公園で懸垂してたら職務質問を受けたの。でもすぐ解放されたの』




マリーさん〘!!!!〙




ガチャッ



ツーツー…




マリーさん〘………職務質問は置いておいて…✕✕公園は、もうここから2分もない…!! ……に、逃げなきゃ……〙





プルプルプル…



プルプルプル…




ムキーさん〘私、ムキー。今、▲▲公園についたの〙




マリーさん〘!? ヒッ〙






マリーさん〘………(マズイ……マズイマズイマズイ………い、いったいどこに………)〙ガタガタ







『私、ムキー。』




マリー〘!!!!!!〙



『今』





『アナタの後ろでパンプアップしてるの』






マリーさんの意識は途切れた。











……







半年後








プルプルプル…



シゲル「グッドアフタンクトップヌーン」



マリーさん改〘ワタシ、マリー。今、ゴールドジムにいるの〙



シゲル「そうか。仕上げているな」



マリーさん改「ええ。」








マリーさん改「いつかアナタの背後がとれるようにね」

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