第16話 選ぶなら、君だけだ
ある放課後。
佐倉くんは私と美咲、ふたりを呼び出した。
「話がある」
彼の声は真剣そのものだった。
「俺はずっと悩んでた。
でも、もうはっきりさせる。選ぶなら——篠原だ」
美咲は静かにうなずき、私に向かって言った。
「あなたの幸せを、祈ってる」
胸がいっぱいで、涙がこぼれそうだった。
「ありがとう、美咲」
彼の言葉に、私は彼を信じて良かったと心から思った。
* * *
その日の帰り道。
佐倉くんがぎゅっと私の手を握りしめた。
「これからは、ずっと一緒にいる」
私も、力いっぱい頷いた。
「うん、私も」
夜空に輝く星の下、ふたりの未来は静かに、でも確かに輝きはじめていた。
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