[新連載]配達評価ランキング1位の俺、異世界に転生しても俺だけの能力「テレポート」で配達してたらいつのまにか世界救ってた。
チョコットぷらねっと
プロローグ
ピンポーン
インターホン越しのお客様の顔を思い浮かべるのが好きだ。
お届けに参りました!ぶち猫宅急便でーす。
直接お客様の笑顔を見るとこの仕事のやりがいを感じられる。
俺、早杉 届野(はやすぎ とどくの)はその名前の通り俺に届いた荷物は全て最速で届けている。
俺は今配送業者3社に属してそれぞれの配達評価総合1位を獲得している。
俺の格言は笑顔!安全!速達!速達!速達!速達!速達!満足されているのも納得だろう。
宅配業者だけで俺は家族を養うことができるし、やりがいのある仕事をできるというのはどれほどの幸せ者だと思っている。
今日も俺は朝の宅配を終わらせてトラックで昼休憩をしていた。
――今日のニュースです。昨日から相次いでいる殺人事件について、新しい情報が入りました。
昼から暗いニュースを流すぐらいなら、俺みたいな奴のドキュメンタリーをやれよとは思う。
俺はドキュメンタリーに出るのが夢だ。そこで、俺の配達に関する情熱と信念を語ってから、この仕事で家族を養っていることを言ってそして……
おっと、配達の時間だ。
今日の配達場所は行ったことがないので、昼休憩をすぐに終わらせて現地へ向かう。
ボロンボロンアパートの205。
建物と部屋番号を確認して、インターホンを押す。
ドア越しの相手を想像して笑顔を作る。
「お届けに参りましたー!ぶち猫宅急便でーす。」
ドアから出てきたのはダルダルとしたシャツをダボダボと着こなして、そこから出てくる細い腕が服の下の細い体を想像させる、性別は長い髪から女性だと判断するが、イマイチ顔が見えないのでわからない。
「あの……重くて、部屋に持っていけないんで、持ってきてくれます?」
確かに、この細さじゃ折れてしまいそうなぐらいこの荷物は重い。あと声から女性だとわかる。
部屋に入ると、何の汚れかわからないシミが部屋の壁中に張り巡らされていて、外から見た感じそのまんまって感じがした。
「おじゃましまーす。」
だけど、嫌な顔せずに荷物を運ぶ。机の上に置き、すぐに出ようと玄関に向かおうとすると。異臭に気がつく。
棚にはまさに俺に見せているかのように死体が何体か積まれていた。
俺は逃げようとしたが無理だった。それはこの死体がショックだったからというよりはこの女の異常性と威圧感にやられてしまった。
「私はね……君には何にも恨みなんてないわ。ていうか、何も君のこと知らない。」
女は独り言を喋っていた。俺に言っていているが、視線は上の空。
「だけどね、この世界が悪いの。この世界が殺すのダメだから。私は殺すのが好きなの。理由なんてあんまないわ。強いていうならスッキリするからかしらね。それだったらランニングとも変わらないでしょ?」
この女は俺が本気で抵抗すれば絶対に逃げれるのに、怖さで体が動かない。
「ごめんね、最後まで何人ヤレるか頑張っててね時間がないの。だからすぐに殺すね。」
包丁を持ってゆっくりと心臓を潰していく。
めちゃくちゃ痛い。声をありったけだした。
「このアパート人いないよ……ここまで遠かったでしょ?時間通り来てくれてありがとうね。」
最悪の気分だったが、最後までミスなく配達をできたことを確認できただけヨシだ。
「絶対満足度満点にしろよ……」
これが俺の最後の言葉に選んだ言葉だった。
俺の嫁、子供たち、今日運ぶ予定だった配達先の人たち。
謝りたいことはいくつもある。
配達で時間を潰してなかなか遊んでやったり、旅行に行ったりすることができなかったこと。俺の帰りが遅くなってしまったこと。弁当を毎日作ってくれたこと。美味しいと毎日言わなかったこと……etc&etc
これが最後なんだ。
いや、だめだそれじゃ。
「うぐっ……」
俺の最後の力はこの枝女の手を振り払って包丁を奪い殺すのに十分だった、あと必要なのはやる気だけだったようだ。
「え……ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ」
この枝女は、確実に死ぬ。
俺はそう確信できるほど深く刺した。
「ハッ、これで道連れだ。これでおしまいだ、俺たち。」
死が近づいていく。
まず力がなくなっていき、体が空気へ溶けていく。
視界が消えていき、女の姿も見えない。
音が消え、女のもがき音が聞こえなくなる。
感じるのは心臓の鼓動だけ。
止まるのを待つ。
ドッ
ドッ
ドッ
心臓の音なんて意識して聞くことはあまりなかったので太鼓のような音にびっくりするが、徐々に小さくなっていく。
ドッ
ドッ
ト
ト
ト
…………
………………
……………………
ドッ
ドッ
ドッ
「?!」
俺は心臓の鼓動の音にびっくりして飛び起きた。
飛び起きれたことに驚愕する前に、周りの風景に驚愕を受ける。
そこは森の中だった。白い木が何本も立っており、建物らしい建物もなく虫すらいない綺麗な場所だった。
俺はすぐに心臓を確認する。
「動いてる……」
確かに動いていた。とりあえず状況を理解する。
俺は服を着ていた。白色の白衣の縁が金色になっており、いかにも魔法使いみたいな衣装を着ていた。
しかし、持ち物はない。
「ぐ……」
体を起こして、ふらふら森の中を歩いていく――
◇
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