第2話 悪魔と赤子の邂逅

スロウスはとりあえず自身の住処であるダンジョンへと戻ってきた。赤子を連れて、周りの探査を魔法で行ったが、今のとこ親やこの赤子に連なる人間を見つける事はできなかった。


手紙は入ってたので見る事にはしたが内容はこうだった。



「親愛なる大悪魔スロウスへ、私の名前は賢者アードワン。この子の名前はマリア、この終末の森の西方に位置する森の王国ジャミルスに存在した賢者である、わけあって国は滅びた、それはこちらの人間世界の話であり、今日の愚王のせいであるから貴殿には関係のない話だ、この手紙をおきマリアをこの場所において私はまた戦地へと向かうだろう、国に仕える者としての務めとして命を散りにいく、だがしかし、このマリアはまだ生まれたばかりの私の孫だ、悪魔に祈るのはまた不思議な話ではあるが、貴殿の庇護下に迎えてくれないだろうか?貴殿の娘として健やかに育ててほしいのだ」





スロウスはため息をつく。


「おいおい、知らない爺に孫を娘にしてくれってどういう話だよ」



ダンジョン内の自分の部屋を見る、3LDKはある、現代日本の日本家屋の和室に似た部屋。きちんとした木目調の穏やかな部屋。囲炉裏もあり、奥には大きめのキッチン、トイレは目立たないドアの先に。座布団も揃い、壁にはライダージャケット、昔ながらのドラマのような部屋にはあと溜息を吐く男と穏やかに眠る赤子。




「はあ、しょうがないか、なんやかんや転移までさせてどこで知ったかわからないが、俺のとこに連れてきたんだ」



スロウスは正直どの国なのかわからない、人里におりたのは6000年前くらいの話なので最近の人里の様子はわからないのだ。



「まあ預かっちまったんだ、マリア、最高のレディに俺がしてやるぜ、まあ怠惰ではあるがなあ」



赤子に顔を向けると肩を竦める。



「前世も含めて俺普通にガキこさえたことねえんだよなあ」


スロウスはそう言いながら現代で言う所のスマートフォンに近い子機のようなものを取り出す。


「もしもしアリアか?ちょっと聞きたいことあんだけど」



スロウスが友人と思わしき女性に連絡をかけながら赤子をあやしながらにこやかに微笑んだ。



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