なんちゃら異世界転生 ~全員チートで何が悪い~
ポチョムキン卿
第一話 ギルドの騒ぎと最初の出会い
冒険者登録のために訪れたギルドで、ケンタは運命の少女と出会う。
その少女の名はミサト。異世界に転生してきたばかりだというのに、自信満々でこう言い放つ。
「火も風も地も操れるし、空も飛べるわよ?岩も片手で砕けるの。私、無敵なの!」
受付嬢が苦笑いしながら「それ、みんな出来ます」と言いかけたとき、ケンタは思わず声をかけた。
「だったら俺とパーティー組もうぜ。」
異種族だよ!全員集合
ギルドの受付が地鳴りのようなざわめきに包まれる中、ケンタとミサトが即席で結成したはずのパーティには、なぜか次々と個性しかない異種族の面々が名乗りを上げていた。
「じゃあ全員仲間だ!」
ミサトの一声で確定したこの大所帯。異世界で最も混沌として愉快で厄介なパーティの誕生である。ギルド受付嬢が泣きそうな顔で再確認を求めるのも無理はない。
「それではメンバー紹介、いってみましょう!」
■ ケンタ(16歳・地球人・元高校生・凡スキル所持)
異世界召喚されたばかりの少年。目立ったスキルは「鑑定」や「アイテムボックス」などだが、すでにこの世界では誰もが持っているため空気扱い。
本人もそれを理解しており、何かで一発逆転しないかと日々考えている。現実では厨二病気味な妄想少年だったが、今ではほぼツッコミ役に回っている。
「え、マジで? お前ら本当に仲間になるの? いや、ありがたいけど、ちょっと、うん、怖い。」
■ ミサト(17歳・地球人・異世界転生者)
自称チート持ち女子。火を出す、水を操る、空を飛ぶなどありとあらゆる魔法的なことができるらしいが、実際のところはこの世界の標準スキル。つまり普通。
それを知らずにイキり散らしているのが、かえってかわいくもあり、そして時々マジでやらかすトラブルメーカー。
「ふふん! この岩を粉々にできる私って、やっぱ最強よね!」(※実際はケンタも同じことができた)
■ ビッグス(ドワーフ・♂・酒と鍛冶と喧嘩の申し子)
身長は低いが態度はでかい。酒と鉄を愛し、敵には斧を、味方にも毒舌を振るう職人気質のドワーフ。
ギルド前の酒場でケンタたちの様子を見て面白そうだからと参加。
「お前ら面白ぇ! この世界にゃ珍しい馬鹿どもだ! 俺も混ぜろや!」
■ ショティス(エルフ・♀・年齢:一万歳超え)
見た目は20代前半の美人エルフだが、実年齢はケンタが生まれる遥か昔。人生に飽き飽きしていたが、混沌の気配を察知して「ちょっと面白そう」と仲間入り。
老獪な知恵と魔法知識を持ちながら、何より暇つぶしとスリルを求めるタイプ。
「ふふ……新しい刺激が欲しかったの。どうせならカオスの渦に巻かれたいわ。」
■ タツ(ドラゴン属・♀・人型可変)
ドラゴンだが、好奇心旺盛で人型に変身して人間のように行動したがる変わり者。強さは規格外だが、思考もまた規格外。
「ねえねえ! それ、なんで丸くて光ってるの? あ、爆発した! おもしろーい!」
ケンタの持っていた懐中電灯を誤って爆発させた前科あり。
■ デモス(大魔族・性別不詳・自称フリーランス)
魔族の中でも上位に位置する存在だが、職を辞めて自由を求めてギルド入り希望。
「魔王やるのも飽きたし、次は自由業がいいかなって」
ケンタに心酔しており、なぜか後ろからぴったり付いてくる。隠れて信仰を始めている疑惑あり。
■ フェアリム(精霊・性別不詳・風属性)
羽の生えた小さな精霊。喋り方は気まぐれでテンション高め。風と戯れるのが好きで、勝手に人のズボンをめくる悪癖がある。
「ヒラヒラ〜〜〜! パンツみっけ!」
ミサトが怒鳴りながら魔法でフェアリムを地面に叩きつけた。
■ デク(オーク・♂・外見ガチムチ・中身乙女)
見た目はゴリゴリのオーク族だが、性格は超絶優しい。お菓子作りが趣味で、お茶会に命をかけている。
「みなさん、焼き立てのフィナンシェをどうぞ♡」
フェアリムと意気投合して、スカートめくりの天罰係も担当。
■ セレスティア(種族不明・♀・元?女神)
何者かは誰も知らない。本人すら「なんだっけ私……」という始末。気分屋でふわふわしているが、時折とてつもない力を発揮。
「うふふふ……ねぇ、太陽って、食べたら甘いのかな?」
冗談か本気か分からないが、時空が揺れる発言ばかりする。
■ バンピーノ(吸血鬼族・♀・ぐいぐい系)
生粋の吸血鬼で、血を吸うことに命を懸けている。美形だが脳筋で、初対面の人間にも平気で首筋にかぶりつこうとする。ミサトとは犬猿の仲。
「お願いだから吸わせてえええええ!」
ケンタは毎日逃げ回っている。
やんちゃエピソード2:
ギルド契約後、パーティは街に出て食料調達を試みるが、問題児たちのせいで即座に騒動発生。
タツが市場で魔法果実を丸呑み → 果実が爆発 → 屋台ごと吹っ飛ぶ
フェアリムが風でスカートめくり大会開催 → 婦人会激怒
バンピーノが市民全員の首筋を舐め回して拘束される
ショティスが市民権証明に千年前の文書を提示 → 本物すぎて逆に逮捕
「なんで30分で4件も事件起こせるのよ!」とミサトが絶叫し、ケンタは再び「帰りたい」とつぶやくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます