第1章:星降る夜の発見

 辺境の山奥で静かに暮らす元研究者のタケノリと、その妻サト。

 ある満月の夜、二人は森の奥深くで、異様な光を目撃する。


 導かれるように光の元へ向かうと、そこには奇妙な形状をした、光り輝くカプセルがあった。

 それはまるで呼吸をするかのように、竹林の中で明滅を繰り返していた。


 タケノリが恐る恐るそのカプセルに触れると、静かに開き、中から手のひらサイズの幼い少女が姿を現す。


 かつて子宝に恵まれなかった二人は、その小さな存在に深い親愛の情を抱く。

 そして「カグヤ」と名付け、誰にも知られぬよう、慈しみ育てることを決意するのだった。


 それは、失われたはずの未来を照らす――

 二人にとっての希望の光だった。



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