第37話 王都再び!

【場面:森の拠点・共鳴水晶前】


(仮設の小屋。共鳴水晶の前に、ハル、シュン、セイン、モグ、フライ、リッカ、フォグたちが並ぶ。映像は王都の街角を映している)


(水晶の中、手作りの幕を背に、若者たちが即席の舞台でネタを披露している)


若者A

「はいどーもー、“王都のど真ん中”でーす!」


若者B

「いや、場所の話してるだけじゃねえか!」


(街角に集まる民たちから笑いと拍手が起こる)


モグ(驚いたように)

「お、おい……王都だぞ? あの王都で、ネタやってる……!」


フライ(しみじみと)

「笑いってのは、感染するんだな。誰かの一言が、羽ばたくように広がる。

……オレも、羽広げて飛んでみてえなあ……いや、飛ばんけど」


ハル(目を細めて)

「ええ顔しとるなぁ、あいつら……。さあて、そろそろクライマックスや」


モグ(勘違いして)

「暗いのMAX!? なんかヤバい感じする響きだな! 怖い、怖い、怖い!」


フライ(肩をすくめながら)

「ちげーよ。暗いのMAXじゃなくて……フライMAX!

オレは空は飛べねぇけど、心だけでも全力で飛ばすぜ!」


シュン(あきれた顔で)

「なんでやねん。……このパーティー、ボケしかおらんやん」


ハル(笑いながら)

「ツッコミが一人、ほんま大変やなぁ。でも、それでええ。

今がチャンスや。全員で、王都行くで」


セイン(静かにうなずき)

「……行こう。王都へ。今なら、届くかもしれない。

父上にも、“笑い”が」


(仲間たちが頷き合う中、共鳴水晶にはさらに多くの民がネタを披露し始める光景が映り続ける)


【ナレーション】


――笑いが禁止された国で。

それでも笑う者たちがいた。


小さなネタが、噂になり、笑い声が連鎖し、

ついには、王都の広場に舞台が生まれた。


誰かが言った。

「笑っていいって誰が決めた?」


誰かが答えた。

「自分やろ。自分の心やろ」


そして、旅する笑い旅団は決意する。

最後の舞台は、王の前――

この国を、まるごと笑わせるために。

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