第24話 王都 潜入開始
(狭く静かな通路を、少年が小さな光の魔法で照らしながら先導する。
道の両脇には、魔法で深く眠らされた兵士たちが、静かに倒れている)
少年(小声で)
「この辺りの警備は僕の“眠りの魔法”で処理済み。あとは裏門を抜けるだけだよ」
ハル(きょろきょろと周囲を見ながら)
「うわ、ほんまに寝とる……スヤスヤやん。ええ夢見てそうやな」
シュン(思わずツッコミ)
「って、お前が使うんかい!
寝かす魔法はフォグの役目やと思ってたわ!」
フォグ(すまし顔で)
「私は研究特化型。実戦は少年の方が向いている。
あと、寝かしつけるのは……子どもの得意分野だ」
ハル(笑いながら)
「いや、“子守か!”ってツッコんでもええか?」
リッカ(くすりと笑って)
「でも、眠らせたとは思えないくらい静かね。魔力のコントロール、かなり上手いんじゃない?」
少年(肩をすくめる)
「いや、たいしたことないよ。たまたまだよ」
(しばらく進むと、兵士の気配が消え、少し開けた空間に出る。静けさがさらに深まる)
少年(立ち止まり、振り返って)
「……でさ。ふたりは、どうして王様に会いに行くの?」
ハル(ニヤッと笑い、指を立てて)
「決まってるやろ!」
少年・リッカ・フォグ「?」
ハル
「――王様を、罪人にしに行くんや!」
シュン(焦って)
「言い方!! もうちょいソフトに言えんか!?」
少年(目を丸くして)
「えっ……!? それって、どういう意味?」
ハル(勢いを込めて)
「王様は“笑ったら罪”っちゅう法律を作ったやろ?
ほな、ワシらが漫才で――ドッカンドッカン笑わせたらどうなる?」
フォグ(無表情で)
「……法に照らせば、王も罪に問われる」
リッカ(呆れたように、それでも笑いながら)
「それ……ほんとにやるつもりなの? 正面突破で?」
ハル(胸を張って)
「おうよ! 作戦名は――“王都で、王と、笑(おう)ぜ”や!」
シュン(ツッコミ気味に)
「ネーミング、だっさ! もっとこう……シャレた感じにできんかったんか!」
少年(呆れ半分、笑い半分で)
「……変わってるね、君たち。
でも、なんだかその“無茶”が……ほんの少し、希望に見えるよ」
(4人と2人――異色の6人パーティーは、静かに歩を進める。
目指すは、王都の中心――王宮)
ナレーション
――笑えば罪。
そんな“理不尽”が、当たり前になった王都の地下を、
一行は静かに、確かに進んでいく。
剣の力でもなく、魔法の奇跡でもない。
ただ“笑い”という、誰もが持つはずの灯りを頼りに。
彼らの目指す場所は、玉座の間。
その中心にいる王を――罪人にするために。
だが、それは罰するためじゃない。
笑ってしまうほど、生きることを思い出してもらうためだ。
彼らはふざけている。
本気で、ふざけている。
そして今、世界の歴史は――
ひとつの“漫才”を待っている。
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