メモリアルデー当日
【それぞれが楽しむ日】
メモリアルデー当日。
夜明けと同時に星条旗の半旗が掲げられた。
朝食の後、それぞれが目的地に向かって出発する。
「いい?3時に墓地に集合するのよ?」
「心配しないで、叔母様。私がきっちり管理しますから。」
ふふっと笑うマリア。
確かに、マリアに任せておけば心配はない。
だが、別の心配がある。
「……マリアは危機感を持つ事。レジデンス・キャンプの時みたいに拉致られたりしないでよ?」
「え……と、気をつけます。」
苦笑する彼女に危機感はない。
あの時も、カリキュラムの話があると言われてついて行ったのだ。
「ちゃんと自覚を持ちなさいね。マリアは人並み以上の容姿をしてるんだから。」
淑女なマリアは男子生徒からの人気が高い。
可愛らしく活発なセフィーナも人気はあるが、マリアの方がダントツだった。
「心配すんなって。神と女神が4人でガードすりゃ鉄壁の守りだろ?」
「……あんたは腕を増やさない事。昼日中じゃごまかしは利かないんだからね。」
「わ、分かってるって。もう行って良いだろ?」
不安ではあるが、6人一緒なら大丈夫だろう。
ゴーサインを貰った子供達が、ビーチ目指して飛び出して行った。
「ディア達も3時には戻ってね。」
「了解。じゃあ、行って来まーす。」
二組の親子が姿を消した。
彼らが目指すのはニューヨーク。
イントレピッド海上航空宇宙博物館だ。
「それじゃ私達も出発しましょうか。先にクレルモンのお墓で良いんですよね?」
「ええ。マクファーソンの方は集中する時間帯を避けたいから。」
クレルモンと違い、マクファーソンは一つ前の世代だ。
混乱を避ける為にも、彼女を知る人物と鉢合わせるわけには行かないのだ。
「ソフィア、午後になったら星条旗の位置変えといてね。」
「はいはい。ほら、早く行かないと知り合いにばったり会っちゃうわよ。」
「ん。じゃあ行って来るわ。墓参りの準備宜しくね。」
頷いたソフィアに微笑んで、シャスタとシルビアも姿を消した。
「マルク、ピクニックの道具をお願い。パールさんはお弁当作り手伝ってね。」
「俺は何すりゃ良い?」
「シヴァ神とおじいちゃんは休んでて良いわ。」
手をひらひら振って、ソフィアとパールヴァティーは厨房へと消えた。
お墓の前でのピクニック。
メモリアルデーの墓参りは、そんな感じで行われるのだ。
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