第2話 ユグルタの話

一世一代の戦争だった。

紀元前111~105年までのたった6年間。

兵糧攻めにされた前のヌマンティア戦争の仕返しをしてやるつもりで、僕、ユグルタは。


「カルタゴの後ろ盾も無いけど、やろっか」


ローマに【戦】をけしかけた。

装備?そんなの僅かな象と馬だけだよ。

だって彼奴らが根絶やしにしてきたもの、僕らのご近所さんを。


おじいちゃんから聞いたよ?

カルタゴが17日間燃えたってね。

めちゃくちゃ熱かっただろうな、 あそこの人達。


「変わりに、治めたら治めたで変に因縁吹っかけてくるしさあ?何がしたいんだか」


ぱおおーん、と鳴く「マルミミゾウ」 さん。

心無しか…怯えている気がする。


「すごいよね君たちのはさあ…」



隣りの国に昔ぱいた、、象に乗り、あの名高い山脈を超えた。


以降、あの偉業を成し遂げる人は「そうそう」出ないんじゃないかな?


「じいちゃんが惚れたのも……分かるなあ」

「『我が国が誇る馬を8000匹率いたその男と、あのライバルに、私は!私は!どうしても!手を貸したくなった!!にも!にも!』」


うん。じいちゃん。言いたい事は分かるよ。

多分今頃……お空の上で、相当コテンパンに言わてるんじゃ無いかなあ?


「『なあんでザマで象さんの弱点言うし、おみゃーが、ソッチ側なんじゃーい!わしゃあ、悲しいわい!』とか言ってそうだね……」


段々、ユグルタの声にも覇気が無くなる。

兵糧攻めにされて不毛地帯同然。

『象さん』や「国民」を養っていくには。

【ローマ】に【戦争】を自ら吹っかけるしか無かった。


理由は、食べ物が、無かったから。


「ヌミディアが攻めてきたか……根絶やしにするか、お前がいけ。手柄はくれてやる。何、【私の】即位時に『ユグルタ』を私はそれで十分だ」


「『マリウス』様。【サグントゥム牢】が空いているとの事です、この私、スッラに


【紀元前111年~105年、ユグルタ戦争】勃発。


手柄をあげたスッラは後に共和政ローマ末期に恐怖政治を敷く『処刑者リスト』を作り上げる、輝かしい功績を打ち出した。








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