第9話 会いたい日
手術の前日 夜9時
私はベッドの上でスマホを握りしめたまま何度も満桜に電話をかけようとした。
だけど出来なかった。迷惑かもしれないとかいっぱい頭の中でぐるぐる考えていた。
別に私の病気は死ぬとか今のところあまりないらしい。
先生も「心配いらないよ」と言っていた。
それでもすっごく怖くて耐えられなくて泣いてしまった。
不安で押しつぶされそうな夜。
私の頭の中は、満桜のことでいっぱいだった。
満桜は今何をしてるんだろう。
カーテンの向こう側は明かりもついてなくてちょっと心がザワザワした。
いつもならこの時間は起きてるはずなのに、、
何かあったのかなとかいっぱい考えたけど今は人の心配をしてる場合なのか。
そういえば昼は河川敷にも居なかった。
いつも絶対にいるのに、、、、ほんとに、何かあったのかもしれない。
「満桜に会いたい」
無意識にそう言っていた
そんなことですらドキドキしてしまう
もうこれを恋だと認識しないといけないのかもしれない。
私は、満桜と一緒に過ごした日々を思い出しながら、ゆっくりと目を閉じた。
あの優しい声も、つないだあの小さな手の温もりも──
全部が、夢の中でも私を支えてくれるように願いながら。
「満桜のことが大好きだよ」
私は初めてその気持ちを言葉にして眠りに落ちた
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