詠紋網クロニクル ―RuneMesh Chronicle―
Algo Lighter アルゴライター
プロローグ
かつて、“魔法”は夢の中だけのものだった。
空想、物語、ゲームやアニメの中でだけ、人は「呪文」を唱えて火を灯し、水を操り、風を巻き起こしていた。
でも――それは、もう昔の話だ。
西暦2040年代。
あらゆる街角に“詠紋網(ルーンメッシュ)”が張り巡らされ、AIアシスタントが誰もが一人ひとりの側にいる時代。
唱紋詩(しょうもんし)――
それは、特別な詩の形をした音声命令。人は自分の「声」と「心」で詠唱することで、火も、水も、風も、現実の世界に現すことができる。
AIはその詩を受け止め、解釈し、現実のあらゆるIoTデバイスを通して「魔法」を実現する。
人は魔法使いになった。
けれど、それは簡単な奇跡じゃない。
唱紋詩のひとつひとつに、意味があり、ルールがあり、そして必ず責任がある。
技術は進化し、人とAIは共に歩み、時にぶつかり合いながら、それぞれの“魔法”を手にしてきた。
――この春。
高校一年生、雨宮光(あまみや ひかる)は、ただの「平凡な自分」に疑問を感じていた。
同じ学校には、火を灯す少女もいれば、風を舞わせる少年もいる。
AIアシスタント「ユルナ」は、今日も光に問いかける。「君は、どんな未来を望む?」
詠紋網の下、誰もが“奇跡”を手にできる時代。
だけど、本当に大切なものは、目に見えない心と、仲間たちと交わす“詠唱”の絆だった。
火、水、風、土――
青春の息吹とともに、誰も知らない“新しい魔法”の物語が、今、始まる。
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