消える妖精

 人間社会に、正体がバレると消える妖精が紛れていると、噂が起きた。

 実際に何人か消えてるらしい。

 SNSでは、しばらくその話題で持ち切りだった。

「見破ってやろうぜ!」

 興味を持った者が、見破る方法を探そうと意気込む。


 それでしばらくは、方法探しが流行っていた。

 適当にカマ掛けても、消えるんじゃないか?

 髪の毛を引っ張って抜いたら、わかるんじゃないか?

 いや、それ別のマンガやん。


 そんな話題の風向きが変わったのは、ある疑問を持った人物が現れたからだ。

「妖精って、妖精である自覚があるのかな?」

「いや、あるだろう」

「そうかな? あるとは限らないんじゃない?」]

「……」

 こうなってくると話は変わってくる。

 自覚がないとしよう。

 だとするなら、自分がその妖精かも知れないのだ。

 見破られたら自分が消えるし、見破ることで友人が消えるかも知れない。

 見破ろうとしていた者も、いつの間にか発言しなくなっていた。


 そこでSNSでは、この話題はここで終わろうと結論付けられた。

 そしてこの話題は、忘れ去られた。

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