『Echoes of Logos ― 煩悩令嬢、覚醒す。―』

ちょいシン

第1話『令嬢、煩悩まみれでログインす。』

 九重紗雪ここのえさゆきは、完璧だった。


 名門・九重家の令嬢にして、花桜学園かおうがくえんの成績首席。


 隙のない所作、模範的な礼儀、そして誰もが羨む容姿。


 しかし、それらは仮面にすぎない。


 本当の自分を閉じ込めて、演じ続ける毎日。


 唯一の救いは、もう一つの世界だった。


「LUX-α、ログイン認証。Echoes of Logosエコーズオブロゴスへ、アクセス開始」


 視界が白く染まり、音が遠ざかる。


 次の瞬間、彼女はピンクゴールドのドレスアーマーをまとい、

両腰には赤黒く妖艶な気を放つ二本の妖刀が現れる。


「フッ……現実で言えないことを、ここで全部ぶちかますわ」


 †煩悩姫・紗雪†――それが、彼女のもう一つの名だった。


 豪快な一撃で敵を蹴散らすたび、息がしやすくなる。


 だが、この日。


 彼女はあるコンビに出会う。


 ひとりは坊主頭の中年男。


 もうひとりはテンション高めの青年。


「お初にお目にかかる。“脳内沙門しゃもん”である」


「火力信者、Lv62。ケンジでーす!」



「……誰よ、あんたら……!」



 こうして、物語が静かに動き出す。

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