第14話救出
早川町へ戻って来た鈴木警部補は町長の家へと直進した。
怪しい歌が聞こえてくる。
「トゥタン シュクラン メジェド、、、。」
(これが次郎が言ってた変な歌か?)
「誰だ!玄関にいるのは!」
町長が凄い剣幕で玄関にやって来た。
「良美は何処だ!」
町長は突然、表情を和らめた。
「ああ。良美さんなら町内会の仲間が甲府市民病院へ連れて行った後、体調を取り戻したんで、診察を受けずに東京へとバスで帰って行ったよ。良美さんから言づけを預かった。東京で待ってるって。」
「とぼけるな!事情は知らないだろうが良美さんは僕の実家で一緒に住んでいる。母は良美さんが帰って来たなんて言っていない!」
町長は隠すのに必死だった。言葉が詰まる。
「よっ良美さん、良美さんの実家が恋しいと言ってましたよ。そちらの方へ行ったのでは。」
「下手な嘘を申すな!良美を何処にやった!」
「知らんもんは知らん!忙しいんだ!帰ってくれ!」
ピシャッ!
町長は玄関のドアを勢いよく閉めた。
「クソっ!」
鈴木警部補はとりあえず町を歩く。そしてある神社にたどり着いた。
そこで良美の履いていた靴の片足を発見した。
「兄ちゃん!」
「次郎!」
「どうしたんだい?」
「僕、強い子になろうと思って肝試しやってたんだ。」
「肝試し?」
「うん!なんか最近この神社から女の人の鳴き声が聞こえるらしくって。」
「それは本当か?」
「うん。どうしたの?」
鈴木警部補はその鳴き声は良美に違いないと確信した。
「次郎。この神社、詳しいか?」
「うーん。噂では隠された部屋があるらしい。」
「ありがとう。次郎。」
「うん。僕もう帰らなきゃ。」
「あっ。次郎!大人になったら、この町から出て警察官になって東京で兄ちゃんと一緒に働こう!」
「うん!僕、頑張る!」
そう言って次郎は帰って行った。
鈴木警部補は神社を隈無く調べる。何処にも隠された部屋は見当たらない。
1時間程経って、地下から女の人の鳴き声がしてきた。聞き覚えのある声。
「良美さん!?」
先程見た祠の下から聞こえてくる。鈴木警部補は祠の前にある落ち葉をどけると地下へと行く階段の扉があるのに気付く。扉を開け、地下への階段を下りて行く。鍵の掛かった部屋へと差し掛かった。
「良美!」
部屋越しから鈴木警部補の声に良美は気付く。
「すっ鈴木警部補?」
「俺だ!今すぐ助けてやるから!」
鈴木警部補は拳銃を取り出し、鍵に向かって発砲する。
ズキューンッ!
鍵が壊れるのと同時に町長は銃の発砲に気付く。
「良美!」
「うっ鈴木警部補。もっもう会えないかと思った。」
「大丈夫か?」
「大丈夫。」
「嘘を付け!こんなにやつれて。」
「鈴木警部補が助けに来てくれたから大丈夫。」
「とりあえず、逃げるぞ!歩けるか?」
「うん。」
鈴木警部補と良美は地下から出てきた。
目の前には、町長と町内会の仲間大勢がいた。
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