第七階層:僕らは手を繋いで未来へ(1)
その後、僕たちの戦いが勝利に終わったことが対策本部や警備に当たる人たちにも伝えられ、事態は収拾へと向かっていったのだった。
教室内も少しずつ片付けが進められ、やがてその場には僕たち二年一組の生徒と
ちなみに僕はウイルスにほぼ精神を支配された時、我を失って暴走しかけていたんだそうだ。でも
きっとその時の必死な彼女の想いと
――と、そんな
「お疲れ様、
「えへへ……ありがとう……」
「
「ううん、ヒーローは僕だけじゃなくて、僕たち全員だよ。全員が心をひとつにして力を合わせたから勝てたんだ」
「そっか……そうだよね……。でも誰が何と言おうと、一番のヒーローは
「一番のヒーロー……か……」
僕にとっては、それは
でもそんなことを面と向かって言うのは照れくさいから、この場では黙っておくことにする。
「ん? 何っ? 私の顔に何か付いてる?」
「ううんっ、なんでもないっ!」
キョトンとする
――もう
いや、
僕は『とある決意』を胸に、
「
「どうした、
「僕、今回の事件を通じて確信したことがあるんです」
「ほぅ? 確信したこととは?」
「……僕自身の危険性です。僕の『心』は未知のコンピュータウイルスにも対抗しうる切り札になるということが証明されました。それは同時に、もし悪用されれば
「…………」
真剣な表情で語る僕に対し、
少しそれが気になりつつも、僕は話を続ける。
「まさに
「……で、
「僕はこのクラスから去ろうと思います。最悪の事態が起きる前に……」
重苦しく冷たく言い放つ僕。その内容の深刻さゆえにクラスのみんなが息を呑み、言葉を失っている。
(つづく……)
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