第11話 お母さん。あ、ありがとう。
私には88歳の母親がおります。
まだまだ私を子供扱いする優しい母親。
たまに実家に帰ると、手料理を作ってくれます。
ありがたい。
ありがたいんですが、一つ問題が。
私の母親は昔から少し天然で、色々やらかしている。
前にはグラタンを作ってくれたのですが、味が全くしない珍しい物を作ってくれた。
チーズもマカロニもベーコンもタマネギも入っているのに、全部うっすら素材の味が感じる程度。思わず『なにこれ?』と問いかけると、
母親は『あ!味付けするのを忘れた!』
見た目は見事なグラタンですが、塩コショウなどの味付けしないとこんなにも味がないグラタンとなることが勉強になった。
そんな母親ですが、この間、何食べたい?と聞かれたので、誰もが失敗なく作れる『豚肉の生姜焼き』をリクエストした。
これならば、味付けしてなくても、最悪焼き肉のタレをつければリカバリー出来ると考えリクエスト。
そして見た目は味付けもしてある完璧な豚肉の生姜焼き。
よかった!普通の生姜焼きだ!そして一口口に入れる。
ん?なんか発酵した酸っぱい味がする。
まさか豚肉が?
そう、私がまだ小学生くらいの頃、夏の暑い日に学校から帰ってきて、喉がカラカラで冷蔵庫に冷えた麦茶が入っていたので、コップに入れ急いで飲んだ時、中身が腐ってて、すぐに吐き出した。
母親は『あら、腐ってるから飲んじゃだめよ!捨てようと思ってて忘れてた!』
2回ぐらいごくごくともう飲んじゃったよ。
すぐに正露丸を一応飲んだ。
そんな思い出がよみがえった。
恐る恐る母親に『この豚肉いつ買った?』
すると母親『え?今日買ったよ?』
私『なんか酸っぱいけど、腐ってない?』
母親『失礼ね!買ったばかりなんだからそんな!あっ!』
なんだ?買ったばかりだよね?なに?
母親『そうそう、お肉が柔らかくなるってテレビでやってたから、さっき少しヨーグルトまぶして付けてたの!味ついちゃった?』
豚肉の生姜焼きです。薄い豚肉に柔らかさは必要ないでしょ!もっととんかつとか厚いお肉にするのでは?なんて思いながら母親の優しさ。
『あ、ありがとう。美味しくはないけど食べる。』
焼き肉のタレを多めに付けて誤魔化しながら食べた。
お母さんありがとう。
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