#2どうやらミッションをクリアしないと終われないらしい
僕は、銃で撃たれた。
え?痛いんだけど?
もしかしてまた死ぬの?
そう思った時、また声が聞こえた。
「プレーヤー名チーズはプレイヤー名ふわふわバスタオルによってキルされました。このままプレイヤー名ふわふわバスタオルのプレーを観戦しますか?」
「え?どういうこと?正直興味ないけど。」
僕がそう呟くと返事がきた。
「それでは、待機島に戻ります。」
そういうと僕は最初の場所に戻っていた。
「なんだったんだ。」
僕が戸惑っているとまた声がした。
「今回の戦闘におけるミッションの進捗は0%でした。」
「は?ミッション?」
「コマンドミッションの確認。」
僕の疑問に対してそんな声が聞こえたと思ったら目の前にゲームのステータス画面のようなものが表示された。
そこには7つのミッションが表示されていた。
ミッション1:他のプレイヤーをキルする。
ミッション2:他のプレイヤーを10回キルする。
ミッション3:他のプレーヤーを100回キルする。
ミッション4:ソロモードでチャンピオンになる。
ミッション5:コンビモードでチャンピオンになる。
ミッション6:トリオモードでシャンピオンになる。
ミッション7:全モードの合計で5回チャンピオンになる。
現在の進捗0%
これはまるでゲームのミッションだ。
画面の上を見ると、ホーム、録画素材、ショップ、持ち物という欄があった。
録画素材?
気になって確認すると、さっきの僕が撃たれた映像だけがあった。
どうやら僕はバトルロワイヤルのプレイヤーとしてゲームに参加しているようだ。
僕の試合がそのまま録画素材になるのか。
そして、ゲームのデータはストックされるようだった。
今ある映像の下の方には編集、削除の項目がある。
試しに編集のところを押してみると、
編集中のデータがありません、データを新しく作成しますか。
という文章とはい、いいえの選択肢が出てきた。
はいを押した。
すると、動画の編集画面が出てきた。
僕がいつも使ってる動画編集ソフトと同じものだった。
また、その画面の右上には僕のYouTubeチャンネルのアイコンがある。
押すと僕のチャンネルに移動した。
どうやら、僕はこの訳のわからない状況でもゆっくり実況者が続けられるようだった。
今はまだ何をすればいいのかもわからない。
でも、ゆっくり実況ができるのならとりあえずそれをしよう。
元の画面に戻って、ホームの欄を押すと、
次のバトルまでの参加者を募集中。
現在の参加者63人とあった。
どうやらこれはミッションを全てクリアするまで永遠にバトルロワイヤルに参加する必要があるらしい。
本当に怖いことだ。
もしさっきのでショック死してたらどうしてたんだよ。
ん?でもゲームのだから本当の意味で死ぬことはないのか?
わからいけど、さっさとクリアしてこのイカれたゲームを終わらせよう。
僕はそう決心した。
「ちょ、ちょっとあんたさっきの何?」
ハナのバカにしたような笑い声が聞こえた。
振り向くとハナとアイが笑っている。
僕には一瞬で理解できた。
こいつら僕をバカにしてる。
「2人ともどうしたの?」
「どうしたのじゃないでしょ。何さっきの?バトルロワイヤルなのに他のプレーヤーに声かけて撃たれるとか。あんた本当に実況者?」
ハナは僕をバカにしてきた。
こいつの笑い方は死ぬほどムカついた。
アイに関しては、笑いすぎて声も出ないと言った感じだった。
「あのさあ、2人とも僕を笑ってるけどあんな急に始まったら誰でもあんな風になるでしょ。そんなに笑うんだったら2人のどっちかが次のバトルに参加してよ。」
「え?そ、それは話が違うじゃん。こんなに可愛いアタシをあんなとこに連れてく気?ありえない。」
「そうだ。だいたいここはお前のチャンネルだろ。お前がやれよ。」
「3人で順番に回せばいいじゃん。」
「嫌よ。世界一可愛いアタシがあんな小汚いところに行く訳ないでしょ。」
「労働者の権利を尊重しろ。」
こいつら結局自分が生きたくないだけじゃん。
「そんなこと言ったって、後で結局2人もバトルに出なきゃいけないよ。」
「え?どういうことよ?」
「2人ともミッション表示って言ってみて。」
2人は自分の目の前に出てきた画面を見た。
そしたらどんどん顔が青ざめていった。
「ムリムリムリムリ。アタシ怖いよ。チーズ君アタシを守って。」
「な、なあ、チーズ。私はいつもお前に感謝してるぜ。いつだって私のことを考えてくれて嬉しい。だから今回も仲良くしような。」
なんだろう。
すごくイライラする。
自分で作った設定なのに。
「そんなこと言ったって、僕だってまだ何が何だかわからないんだ。2人を守りながらなんて無理。」
「「そんなぁ〜。」」
「じゃあ、こうしよう。とりあえずソロモードでのクリアは僕が頑張るから2人はコンビモードに出て。僕がソロモードをしてる間にこのゲームのことを勉強すればいい。」
「わかった。じゃあ、チーズはなるべく時間を稼いでよね。」
「えぇ、僕だって早くクリアしたいよ。まあ、現実はそんなに甘くないだろうから、時間はかかると思うよ。」
ん?
今、この世界を現実って言ったけど、実際ここはなんなんだろう。
まあいいや。
とりあえず今はこのゲームを探ってチャンピオンを目指さないと。
でも、クリアした先には何があるのだろうか?
僕って多分一回死んだんだよな。
もしかしたら前世に戻れたりするのだろうか。
いや、それは別にいいや。
元々ゆっくり実況してる時が1番楽しかったし。
わざわざ疲労とストレスをもらいになんか行くもんか。
せいぜいこの世界を思う存分堪能してやる。
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