社畜として死んだ俺が、異世界で“働かない”神として崇められる件

コードD

第1話「社畜は死に、神となる」

目を覚ました瞬間、俺は自分が死んだことを悟った。


 というのも、目の前には金髪の女神がいたからだ。


 「おめでとうございます、社畜殿。あなたはブラック企業の過労死ランキングにおいて、今月のトップを獲得しました」


 「……はい?」


 俺はスーツ姿のまま、ふわふわと浮かぶ真っ白な空間に座り込んでいた。記憶はある。毎日終電、休日出勤、飯はコンビニ、風呂は2日に1回。生きてるのか死んでるのか、もはや自分でもわからなかった日々だ。


 「あなたには第二の人生を用意いたしました。神として異世界に転生していただきます」


 女神はにこやかに言った。神? 俺が?


 「ただし、前世の労働ポイントが非常に高かったため……今回の転生先では一切の労働が禁止されています」


 「禁止……?」


 「はい。働くと死にます」


 俺は、絶句した。働くと死ぬ。――そんな夢のような世界があるのか?


 「異世界〈ルディアス〉では、あなたは“怠惰の神”として崇められます。民はあなたに学び、働かないことを目指します」


 「なんて……素晴らしい世界だ……!」


 俺は涙を流した。これまで一日14時間働き続けたこの俺が、今度は“怠けることが正義”の世界で神として生きる。いや、生きなくていいのか? むしろ、寝ていてもいいのか?


 「ただし、ひとつだけ使命があります」


 女神が静かに言った。


 「この世界に忍び込んだ“労働至上主義者”を、あなたの力で堕落させてください」


 ……なるほど。つまりこれは、俺に与えられた“逆・働き方改革”なのだ。


 「わかりました」


 俺は立ち上がり、スーツのネクタイをゆっくりと外した。


 「俺が、この世界を“ニート天国”に変えてみせます」


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