第24話


ドアが閉まる音を微かに聞いた俺は身体を起こし、軽く肩を鳴らす。


余りにも知識がねぇお前。


何処までも計算高い俺。


コートを着て、部屋を出てから鍵をロックし、足音が聞こえない方の非常階段を下りる。


マンションの外に出てみれば、空から降り注ぐのは、白い雪。


足音を消し、気配を隠し、お前の後を追う。


騙し騙さられる男と女の恋愛ゲーム。


だが、俺とお前がやっているのは、人生を賭けたすごろくゲーム。


ふりだしに戻れば、またスタートラインに立てる。


それを説明しねぇ俺は、何処までも卑怯者。


明日になれば俺とお前の足跡の上に雪が積もる。


これも全て計算された完全犯罪。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る