第16話


一緒に居る事が当たり前の様に感じたのは、血迷った私が作り出した世界。


一緒に居る事が当たり前の様に傍に居たアイツは、何処までも残酷な人。



古時計が時を刻むのを忘れた様に、私の時間は止まったまま。



それはいつから?



それさえも、もう思い出せない。


引き返す事のない私の人生。


後戻りが出来ないのは、私の足跡を降り積もった雪が消したから。


この場所からもう動く事が出来ないくらいに、身体の全てが麻痺した感覚。



愚かなのは、私?


愚かなのは、アイツ?



見えない糸は切れたはず。


操るアイツはもう居ない。


マリオネットは動く事をしなくなった。


まるで私の様だと思い、失笑してしまう。

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