第18話 以心伝心ですわ。 無論だ。

「お初にお目に切りま~す。僕はズッキーニで~す、お父様~ 」


な、なんだこのド派手な道化師のような格好をした男は? 

父親だと、どう言うことだ? 

儂はお前のような道化の息子を持った覚えはない。


「ふふふっ、どう言うことかしら陛下。」


妃が笑っておる、なんと恐ろしい。


「知らん、このような道化。」

誤解だ、儂の息子はシャンパーニュだけだ。


「その方がロゼッタちゃんか~い? 僕が未来の夫のズッキーニだよ~ 」


まさか、この道化が帝国の第二皇子か!? 

さわるな我が妻を!! 


このチャラ男が帝国の? 

なんてこと、こんなチャラ男とロゼッタが婚姻しなくてはならないの? 

さわらないで、汚らわしい。


「さわるな、貴様!! 我が妻が汚れる!! 」

えぇぃ、手を放せ王妃は儂のものだ!! 


「えぇ~? ロゼッタちゃんは僕の~妻になるんだよ~ お父様が~そう言ってたんだよ~〜」


「貴様のような道化に、妻もロゼッタもやらん!! さわるな、汚れる!! 」

「まあ、あなた。」 


ふふっ、格好いいですわ。


「お父様~ どうして~? 」

「誰が父だ!! 」

先程からなんだこのダラけた話し方は、皇子としての教育はしてないのか皇帝よ。


「ロゼッタちゃ~ん。」

「お兄様、その方はロゼッタ様じゃありませんわ。」

「え~、違うの? 」

「だって、おばさんじゃない。王妃様よ。」


「だ、誰がおばさんですって!! 」

この糞女!! 


「我が王妃のように上品で綺麗な女性などおらん。

貴様のような気品の欠片もない娼婦のような格好をした小娘に言われる筋合いわないわ!! 」

「まあ、あなた。」

もっと言ってやって!!


「此処におられたのか、皇子 皇女。」

「あ、シャンパーニュさま~ 」


何この糞女、話し方が変わったわ。シャンパーニュにしがみ付くんじゃないわ。


「さわるな女、殺すぞ。」


シャンパーニュ、一応其奴は帝国の皇女だぞ。


よく言ったわ、それでこそシャンパーニュよ。

クリスタル嬢以外の自分に言い寄る令嬢はシャンパーニュにとって塵芥なのよ。

なんて冷たい目、流石は変態息子だわ。 


「ひ、ひどい~ ですわ~ 」


涙目を作っても無駄よ、無駄。

シャンパーニュの心にはかすりもしないわ。

ふふふっ、ざまぁだわ。


「放れろ女、殺すぞ。」


シャンパーニュ、皇女だぞ。

儂達に節度ある態度を示せと言ってたではないか。

いいのか、それで? 


「あっ、カベルネさま~ぁ。お会いしたかったで~すぅ。」 


なんて変わり身の速さなの、シャンパーニュに相手にされないからカベルネ殿に抱きつくなんて。


「こ、皇女殿下!? 」

「うん、もう。ラディて、呼んてくださ~い。カベルネさま~ぁ。」


猫なで声なんて出してもカベルネ殿は、騙されないわよ。

よく抱きつけるわね、あなたがカベルネ殿にした仕打ち忘れたの?


「カベルネさま~ぁ、ラディのことおこってる~? ラディ、恐かったの。カベルネさま~ぁの真剣な愛に、恐くなって逃げてしまったの~ ごめんなさ~い。」


何を言っておるのだ、この小娘は? 

真剣な愛が恐いだと? 

そんな理由で結婚式に来ず他の男と駆け落ちをしたのか? 


何を言ってるの、ただ単にあの男が良かっただけでしょう。

わたくしは騙されないわよ。


「もう、終わったことですので。気にしておりません。」


「ラディ、嬉しい~ぃ。カベルネさま~ぁ、だぁ~いすき~ぃ。」


「何を言っているのか分からないのですが? 」


シャンパーニュめ、カベルネに話しておらんようだな。

どうするつもりなのだいったい。


「君がロゼッタちゃんかい? あっちの女性より若いね~ 」


はっ、忘れていましたわチャラ皇子。

ロゼッタが呆然としてますわ。

そうでしょう、まさか此処まで酷いとは思いませんわよね。


「僕が未来の~ 旦那さまだよ~ロゼッタちゃん~ 君は~ 幸せ者のだよ~ 僕は将来~ぃ、皇帝になるんだから~ 」


何を言っておる、儂は道化との婚姻なんか許さんぞ。


陛下がアイコンタクトをしてきますわ。

ええ、もちろんですとも、わたくしもこの婚姻は反対ですわ。

誰がこんなチャラ皇子に娘をやれますか。

もちろん、この娼皇女にもカベルネ殿は渡しませんわ。


妃よ、儂の気持ちが分かってくれるのだな。


わたくしの気持ち、お分かりにならますわね陛下。


「「この縁談は破断に…… 」」







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