異世界
何かがぶつかり合う音が聞こえる
少しずつ音が鮮明に鼓膜に届く
金属がぶつかる音?
恐る恐る目を開けるとイケオジが大きなクマと闘っている。
とりあえず状況が分からない。
なんでだ?
思っていた異世界転生と違う気がする。
イケオジは恐ろしく強かった、というより人間離れしている動きでちょっと怖かった。
ワイヤーアクションかと思うくらい飛んでたし。
このイケオジが俺の父親なのか?
イケオジは近づいてきて俺を抱き上げ、何故か悲しそうに俺をタオルケットに包み込んで馬に跨った。
しばらくすると馬は屋敷の前で止まった。
それにしても大きな屋敷だ、実際にこんな大きな屋敷に入ることって初めてかもしれないな。
「おかえりなさいませ旦那様」
「ただいま、レイナはいるか?」
「中庭に。呼んでまいりましょうか?」
「いや、構わない。少ししたら向かうとだけ伝えておいてくれ。」
「承りました」
使用人?執事か、その他にも何人もいるけど
俺ってもしかして貴族だったりするのか?
ゴツゴツした腕に抱かれながら中庭に連れて行かれた。
分かってはいたけど広い、広すぎる。
花も沢山咲いているし、写真とか絵でしかこんな豪邸見たことないぞ。
「貴方、おかえりなさい」
「あぁ、ただいま」
「あら、その子は?」
「あ、あぁ。森でな」
ん?待てよ。
なんだか不穏な雰囲気だぞ。それにしてもこのイケオジにしてもこの女の人にしてもこの世界は美男美女ばかりだな。
「森で?どういうこと?」
「恐らくブラックベアに襲われたのだろう。
両親も私が行った時にはもう。」
「そうだったの、、」
イケオジの腕から俺を抱き寄せ悲しそうに見つめられた。
なんとなく読めてきた。
転生したは良いけど親はクマに襲われて、
早々に独り身になってしまったのか俺は。
前世と変わらないな、つくづくついてないな。
「この子、、私達の子として育てたらどうかしら?」
「私はそのつもりだった、エレナがそう言ってくれてよかったよ。
ただ、この事は成人の儀まではこの子には黙っていよう。」
「そうね、そうよね。
そうと決まれば服とか色々用意しないとね!」
「そうだな、揃えるよう伝えておこう」
「名前はどうしますか?」
「カイ、、なんてどうだ?」
「良い名前じゃない、カイ。貴方の名前のカイネルから取ってカイかしら?」
「まぁそうだな」
少し照れくさそうにするイケオジ、イケオジの破壊力凄いな。
前世ならトップスターどころのイケメンじゃないぞ。
「カイ、貴方はカイよ。」
俺の髪を撫でるエレナさんの手は温かくて本当に優しかった。
俺は良い人たちに出会えたんだな。
俺の異世界ライフはここから始まるんだ、
思いっきり楽しんでやる!
あっという間に日は沈んで、小さなベッドに寝かしつけられた俺は広すぎる天井を眺めていた。
時計とかないけど今ってまだ8時とかだよな、
こんな時間に眠くなるわけない。
とか思いつつ結構眠いんだよな。これも赤ん坊だからか?
あ、そういえばスキルが分かるとか言ってたっけ?
どうやったら分かるんだろうか。
お決まりはステータスオープン、とか、、?
うぉっ!ほんとに出てきた!
目の前にゲームの画面みたいなものが、、
カイ.コーゼス。これが俺の名前か。
ステータスはこの世界の平均は知らないが、全ステータス100なのはそんなに悪くない気がする。
だって赤ん坊だもんな、少しくらい補正つけてくれたのかな?
全能神の加護、、全能神って女神サラのことかな?成長補正、まだロックかかってるのか細かい説明が文字化けしてるな。
それはそうとスキルだ、頼むぞ、良いスキル来てくれよ、、
スキル:ガチャ
ガチャ?ガチャって俺の好きなあの?
待て待て嬉しいと一瞬思ったけどいいのか?
というかこの世界でガチャって言われてもあんまりピンとこないぞ、、。
説明のところは、やっぱり文字化けか、、
考えてもどうにもならないか。
この世界でもガチャできるのかな、、
やばい、眠気が。
とりあえず俺の異世界ライフはハズレかあたりかよく分からないスキルと、俺を拾ってくれた美男美女の両親と始まるのか。
ハロー俺の異世界ガチャライフ!!
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