第12話 全部須藤のせい
「橘さん、職員も見ていた事を踏まえてもう一度お聞きます…本当にあなたは何もしていない……と?」
「はい、私は何もしておりません…全て須藤さんがやりました」
夜桜を没収された俺は現在、俺を連行した職員のお姉さんから取調室を受けている。お茶も出ない。ひでぇ扱いだ。
大体見てたてw……証拠のコンギョは?(笑)
「では須藤室長がどの様に破壊行為に及んだのかをお教え下さい、それと念の為にステータスの開示を要求します」
「怖くて震えていましたので覚えておりません、ステータスは橘の秘事です」
「は?(ピキピキッ」
「…」
おいおい、ボロが出そうになったら橘の秘事でなんとかなるんじゃないの?じじい嘘つきやんけ。
コンコンッ
「田村主任、今いいですか?」
ノックの音と男性の声。
「あぁ待って待って入らないで!……橘さんはそのままお待ちを…」
そう言って部屋を出ていくお姉…いや田村さん。多分俺の格好に気使ってくれたんだろーな。
ブランケット貸してもらって羽織ってるけど服もズボンもビリッビリ。ブラもおぱんちゅも丸見えだ。
「…はぁ」
つかこれマジでどーしよ…弁償みたいな話になったら最悪だぞ。ウチに資産いくらあるのか知らんけど絶対無理。
それに捕まりはしないだろうけど探索者登録はなかった事になるだろーなぁ…総司の餌食になるぞ俺。
コンコンッ… ガチャッ…
「田村です、戻りました」
あっ、戻ってきた。とりあえず須藤さんになすれるだけなすろ。
って…田村さんニッコニコやん、どした?
「橘さん、実はとても面白い動画があるんです」
「はぁ…」
「こちらなんですが」
タブレットを操作し俺に向けて映像を見せる。防犯カメラの映像らしく画質が少し荒い。んで映ってるのは……
「……」
「どうかなさいましたか?(^^)」
「……」
俺は黙秘を貫いた。だが動画は無常にも再生されている。
『…それは重畳、ではお互い温まってきたしタンゴは止めてジャイブダンスと洒落込もうっ!……バキッ!メキメキメキッ!』
『…いい提案かとっ!……パリーン!ドゴォォオン!キィンキン!キン!キン!ボォン……………………カクホォ!』
「……」
「橘さん、本当に何もしてませんか?(^^)」
「…すいません……」
「ステータス、見せて頂けますね?」
「……橘の…」
「あ?」
「…お見せします………あと家族がいますので情状酌量を要求します……」
この後たっぷり(事情を)搾られたよ♡
お昼はカツ丼出るのかなぁ
「はぁ……」
昼を大きく過ぎていたので一旦食事休憩とした
「なんなのあの子…」
須藤さんは現役を退いたといえ、元は日本探索者の最前線を走ってきた強者。今でも間違いなく10指に入る…それと互角、加えてあのステータス…間違いなく普通じゃない。
対応した職員の話だと何やら推薦状なるものを須藤さんに渡したそうだが……。
「主任〜」
遣いにやった部下(女)が帰ってきた。
橘柚希に食事を届けるのと、同じく取り調べ中の須藤さんの元へ事情を聞きに行かせたのだ。
「高橋お疲れ様、橘さんに食事は?」
「渡しましたよ〜 美味しそうにカツ丼食べてますよ」
「はぁ?女子高生にカツ丼って…他のは無かったの?」
「いや、取り調べって言ったらやっぱカツ丼かなって」
こいつはこういう所があったの忘れてた…。
「まぁ食べてるならいいわ…で、室長はなんて?」
「はいなんか修羅パンツの孫らしいです」
「はぁ!?修羅パンツぅ!?」
ダンジョン黎明期、ネットで爆発的な人気を誇った人物。
協会ですら対処出来ない化け物を全国で殺して周り、日本最強と言われながらも探索者名簿に該当する人物はいなかった今も謎の剣士。
「その孫娘って…」
「あの強さも納得ですね」
「そうかもだけど…え、推薦状って事は今もご存命なの?」
「そうなんじゃないですか?ステータスもめちゃくちゃ高いだろうし寿命も長そう」
それ本当ならとんでもない情報なんじゃないかしら…。
「…直接室長に聞きにいくわ……高橋もお昼にしなさい」
「分かりましたー」
「その必要は無い」
渋い声が聞こえ、振り返る。
「えっ、室長!?取り調べはどうしたのですか?」
「抜けてきた…君が柚希くんの取り調べをしていると聞いて、いても立ってもいられなくてね」
「いやダメですよ戻ってください…というか前!隠してください!セクハラです!」
須藤さんの服は今ボロボロだ。
「はっはっは!気にするな!…それより先に言っておく、修羅パンツについては探るな」
「気にするなって言われても視界に……ってえ?なんでですか?日本の英雄ですよ!?」
「それが彼と協会との約束だからだ」
協会との約束?一気にきな臭くなる。
「…協会と繋がりあったんですか?約束ってなんです?」
「それは君が今知る必要は無い、柚希くんについての処遇も私に任せてもらおう」
「……具体的には?」
「我々支援課の手伝いをしてもらう…それがもっとも彼女の希望に添えるだろうからな……あぁサポートは君がしたまえ、これも縁だ」
「えぇ…」
取調室での事を思い出す。無表情で絶世の美少女、ただ…なんというか図太いのよねあの子…
ただでさえ高橋も持て余してるのに。
とはいえ組織に所属する以上上司の命令には逆らえない。
「わかりました…」
「よろしい…では柚希くんを取り調べが終わったら私の執務室に連れてきてくれ、頼んだよ」
ニヒルに笑って戻っていく須藤さん
はぁ……定時に帰れるかしら。
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